短編

□嫌い嫌い、大嫌い
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「銀八、邪魔」

「晋ちゃん、酷くね!!?」

「暑苦しいんだよ!!真夏に引っ付くな!つか、何で夏休みなのに集まってんだよ!!」

「しょうがないじゃん。全員補習なんだから」

「待て…俺は欠点なんざ取ってねぇぞ」

「出席日数が足りないの。」

「……ぅ」




高杉は、返事が返せず呻き声を上げた。それにも関わらず、銀八はぎゅうぎゅうと高杉を抱き締めている。席についている高杉は呆れてやられるがままだ。いくらクーラーが効いていても暑くて仕方がない。他の生徒は、黙々と問題を解いていく。



「ん…土方ァ、お前何か欠点だったのかぁ?」

「う、うるせぇなぁ。悪ぃかよ」

「別にぃ…」

「その笑み最高にムカつくな」



銀八は、二人が話しているのが気に入らず力を込めると、高杉は「ぎにゃッ」という声を漏らした。




「てめ、苦しいじゃねぇか!何しやがる」

「晋ちゃんが相手してくれないからでしょ!」

「抱き締めてる奴が言うな。放れろよ、動けねぇだろッ!!仕事しやがれ!ホラ、眼鏡が困ってるぜ」

「いや、困ってないです」

「少しは察しろ!チャイナの言う通りに駄眼鏡だな!!」

「えぇぇぇぇぇ!!!」

「晋助ぇぇ」

「うっとうしいんだよ!!天パァ駄目教師!!!」




いきなり黙り込んだ銀八は、高杉から放れ俯いていた。そんな銀八を生徒全員は初めてで、じ〜っと高杉を見て、高杉は「俺?!俺が悪ぃのか?!」と自分に人指し指を差した。




こ…こいつ、まさか泣いてんのか!!?いい年こいて…。銀八の方が99.5%悪い!!!だけど、0.5%俺が悪い…言い過ぎた。




「…悪「…こんの!!マイクロチビ!天然パーマの苦しみ分からないだろうよ!!!」

「なッ…!!?(人が謝ろうとしたのにこいつッ)」

「少しは伸びたらどうなんだよ」

「…ッんだとオラ。何回も言ってるだろ、平均並みだってよッッ!てめぇこそなんだよ!!その死んだ魚のような目はよッ!?」

「いざという時は、輝くんですぅ!!」




二人が言い争うのを、生徒達は見ていた。銀八が言うと銀八を見、高杉が言うと高杉を見ていた。



「ま、まぁまぁ…落ち着いて下さい。先生も高杉さんも」

「「うるせぇよ!!!」」

「もう銀八なんか知らねぇ。糖尿病にでもなりやがれ!!!」

「俺だって高杉なんか知らねぇよ!!馬ぁぁ鹿!!!」




バタンッと強くドアを閉め、高杉は出て行ってしまった。銀八は、頭を掻きながら溜め息をつき高杉の席に座った。そして一言…。



「俺の馬鹿ぁぁ。やっぱり、俺って馬鹿?」

「……。」




生徒達は、困る事なく頷き銀八はまた溜め息を付いた。








「…銀八のぉぉ、馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉ!!!!」



高杉が殴った為、壁がものすごく揺れ粉がパラパラと落ちて来た。銀八と喧嘩して高杉は、屋上に来ていた。



「せっかく謝ってやろうと思ったのによ!!あぁムカつく!好きな空までもムカつく!!あんなに綺麗なのによぉ!!」



ゴロンっと寝っ転がり寝ようと目を瞑るが浮かんでくるのは銀八の事。高杉は溜め息をつき頭を抱えた。




やっぱり、俺が悪ぃのかぁ…?




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