短編

□クリスマスは恋人と過ごすものだ
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「しーんちゃ…」

「じゃあな、銀八!!俺、急いでんだ!!」

「……」






銀さん最近、僕の彼女の晋助くんに避けられています。何コレ、と言いたいくらい避けられています。理由??理由が分かりゃあ苦労しねぇよ!!!誰か、僕に理由を教えてくれ!!!




何故、近寄ったら逃げられるし目合わせてくれないんだ??久し振りのデートにも断られたし、もう何週間も話してないし触ってもない!!もう、我慢の限界なんですけど!!!?








†クリスマスは恋人と過ごすものだ†








「諦めなせぇ。そりゃ、嫌われたんでさぁ」

「嫌な事言ってんじゃねぇよ、総一郎くん!!」

「総悟でさぁ」




自分の生徒である沖田にその事がバレてしまい生徒がいなくなった放課後に二人は話していた。勿論、今日も高杉に避けられたのだ。思い切って今日空いているかと聞いてみれば、用があるんだ、と突き放されてしまい銀八は相当ヘコんでいる。




「銀八、落ち込まないで下せぇ。俺が晋助を幸せにしまさぁ」

「渡さねぇから!!!何言ってんのお前?!何さり気なく奪おうとしてんだよコノヤロー!!」

「へいへい…銀八、携帯が光ってますぜ」

「ん…、あ。ホントだ」




モギャーッと騒いでいた銀八だったが机の上に置いていた携帯が光っている事を告げられ画面を開けば恋人である高杉からだった。




「晋ちゃんからだッ!!!」

「良かったじゃないですかぃ」




銀八は、ドキドキさせながらメールを開く。それは、高杉らしく絵文字をあまり使わなく行も少ない文章だった。何週間振りだろうか、と銀八は感じていた。





『今日の10時45分ぐれぇにいつもの場所で待ってる…』





銀八はその文を読むなりガッツポーズをとった。きたぁぁぁぁっと叫びながら。側にいた沖田は、呆れ顔となり苦笑した。ガタっと椅子から立ち上がり一伸びすると沖田はドアの方へ進んでいった。




「帰るのか??」

「帰りまさぁ。良かったじゃねぇですかぃ。クリスマス誘われて」

「…あぁ」

「別れ話じゃない事を祈っていますぜ」

「縁起悪ぃ事言うんじゃねぇよ!!!」




冗談でさぁ、と笑いながら教室を出ていった沖田に溜め息をついた。高杉にメールを返し銀八は携帯を閉じた。今思えば今日はクリスマス・イヴだ、彼に何プレゼントしようか。と考えていた。




プレゼントは俺だよwwっつったらぶっ飛ばされるんだろうなぁ。どれあげれば喜んでくれるだろうか。悩みどころだな…。てか…用があるっつってたのにな…。まぁ、取り敢えず晋助に触れれるっつー訳で結果オーライ、か??




「金時ぃぃぃ。今日は残業じゃあぁ!!」

「……え゙??」

「校長にたくさん主題だされたきにぃ…アッハッハッハッハ」

「はぁあぁぁ!?っぁんの鱈子唇がぁぁぁ!!!」





教室を出れば同僚の坂本と鉢合わせ。嫌な予感がした銀八だったが、その予想が現実となってしまった。残業になってしまえば、商店街なんていけれなくなるからだ。坂本からの話によると、ちゃんと仕事をしていない坂本と銀八にクリスマスプレゼントとして主題を出したらしい。






くそ馬鹿が!!余計な事しやがってぇぇぇ!!
何?!アイツ俺と晋ちゃん引き離そうとしてんの??!絶対ぇさせねぇからな!!俺と晋助は赤い糸で固くかたーく結ばれてんだよッッ!!!
もし、約束の時間に遅れてみろ!!?俺アイツの事許さねぇからなッ!!





「辰馬ぁぁ!!ババっと終わらせるぞ!!」

「ラジャ〜!!」

「…きめぇんだよお前!!まともに返事出来ねぇのか毛玉!!」

「金時、毎回言っておるじゃろ。これは、おちゃめ…」

「じゃねぇぇぇ!!!てか、金じゃなくて銀ね!!つうか、お前1文字もあってねぇじゃねぇか!!!銀八だから!!なんだよ金時って?!」

「あぼほぉ!!!」




銀八の拳が見事坂本の顔面にクリティカルヒット。タラーっと鼻血が出ていても相変わらず坂本の笑い声は変わらなかった。二人は、主題を終わらせるため、Z組から放れた職員室へ向かったのだった。












「……燃えた。燃え尽きたよ。真っ白に…」

「……ゎ、わしもじゃあ、ぁ、ぁ」




あれから何時間ともいう時間が経ち、銀八と坂本は書類で散らばった机に伏せていた。
時間は既に10時を回っている。気付かないぐらいに集中していたのだ。銀八は、改めて壁に掛かっている時計に目をやり、固まった。現在、10時25分。高杉との待ち合わせ時間は10時45分。そして、高杉がいう『いつもの場所』という所は、学校から少し放れた公園である。二人は、その公園で何時間か話し帰宅するのが日常であった。今は、クリスマスの季節で周りの人々がイルミネーションを豪華に飾り、夜になると綺麗に光るのだ。





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