短編

□俺は悪くない!騙されたお前が悪い!!
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「……」




高杉は、スタスタと学校へ続く道を歩いていた。只今、春休みである。二学年であった高杉も四月から三年だ。銀魂高校は、A〜Z組まであるのだからクラス替えなどしない。だから、三年になってもクラスも担任も同じなのだ。高杉は、今のクラスに満足感があり早く登校日になって欲しい事だと思うがやはり休みである今は、行きたくはない。
高杉だけじゃなく2Z全員今日行かなくてはならないのだ。理由は、学年末が二学年の中で最低だった為、校長であるハタに四月一日に来るよう言われたのだった。




やってらんねーよ。なんで全員なんだよ。
俺ぁ、こうみえても頭は良い方なんだけど。
土方の奴もそう思ってるだろうな…。




そう、高杉は不良でもクラスの中では頭が良い方なのだ。優等生の土方と一・二位を争う程だ。高杉は、ブツブツ言っているうちに学校に着き、教室に入った。




「よぉ、晋助。おはよう」

「はよ…早いんだな、土方」

「お前が遅ぇんだよ」




土方と挨拶を交わせば周りから話かけらる。
2Zの生徒は、何だかんだ真面目な生徒が集まっている。暴れる時は好き放題に暴れ、真面目な時は嘘のように真面目になるのだ…。




「席座れー、てめぇ等も嫌だよなぁ。何で休みなのに行かなきゃならないんだよ。あーやだやだ!!」

「教師が何言ってんですか!!」




久し振りの新八のツッコミを聞いたと、みながそう思った。教師のくせして面倒くさがりな彼は、坂田銀八。教師であり高杉の愛人である。告ったのは、勿論銀八からだ。付き合って、約一年は経っている。




「はい、以上!!職員室に忘れ物したから取ってくるわ!……逃げんなよ」

「……逃げねぇよ」




ビシッと指を差された高杉は、舌打ちをして言い返した。ニコッと銀八は笑い職員室に向かって行ったのだった。




野郎…、人がせっかく来てやったのによ。
んだよ、あの言い方はよ…逃げるんなら学校に来ねぇっつーの!!




高杉は、不機嫌な表情をとり頬杖をつき、黒板の横に目をやった。カレンダーに目がつき、何を思いついたのかニヤリと笑った。




仕返しといっちゃあなんだが…やろ。
お前が悪いんだからな……銀八先生??




高杉は、銀八が居なくなった途端、騒ぎ始めた生徒たちのところに歩み寄った。土方と沖田が気付くと、何か嫌な予感がしたのだった。




「どうした、そんな表情して」

「ひーじかた…」

「な、なんだよ…気持ち悪ぃな」

「アイツによ…仕返ししてやりたいんだ。んで…俺からの提案」

「提案…だと?」




顔を引きつかせるのは土方だけじゃなく新八や、山崎、近藤やらが冷や汗を流し始める。しかし、一人だけ…沖田だけは何処か楽しげだ。なんせ、高杉は3Zの中で大の"イタズラ好き"だ。




「…山崎、今日は何日だ??」

「え…四月一日だけど」

「四月一日と言ったらなんだ??…ヅラ」

「ヅラじゃない桂だ。四月一日と言ったら、エイプリルフール……高杉、何を考えてる??」




ニヤリと高杉が怪しく笑った瞬間、沖田を覗く生徒たちの顔が青ざめた。




「…銀八を騙す!!」











†俺は悪くない!騙されたお前が悪い!!†












「へっくしょーん!!!」




その頃、銀八は職員室に一人くしゃみをしていた。珍しく教師があまりいないのだ。いるとしたら、ハタ校長と教頭ぐらいで、あとは同僚で天パァ仲間の坂本辰馬ぐらいである。
ガラッとドアの開く音がし、坂本が入ってきた。どうやら頭が痛いようだ。




「なんだ坂本、二日酔いか??」

「アッハッハッハッハー、昨日飲み過ぎたぜよ〜!!」

「相変わらず、おりょうちゃんに猛アタックしてんのかよ。早くGETしろよな」

「金八…もしや、わしのおりょうちゃん狙ってるがか!!?」

「んな訳あるか!!俺には可愛い晋ちゃんがいんだよ!!晋ちゃん以外興味ねぇし!!」

「おー、高杉も可愛いぜよ〜」

「二股かけんなよ!!!つうか渡さねぇから!!」

「だぼらぁぁ!!!」




銀八のアッパーが坂本の顎にクリーンヒット、ノックアウト!!ってところだ。銀八は、ハァと溜め息をつきハタ校長から貰ったプリントをトントンと纏める。紙は何枚かに分けられホッチキスで止められている。




「さて…そろそろ戻るか。あいつ等が、ぐーたらしてそうだしな」






―…ピルルル






白衣のポケットに入っていた携帯が鳴る。
疑問符を浮かべ、携帯を取るとディスプレイに「晋助」という文字が書かれていた。





「もしもし、晋助??どうしたの?」

『――――。』

「はぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!?」






銀八は、大声を出した。職員室に響き、坂本は頭に響いたのか頭を抑え痛みに耐えていた。
銀八は信じられず口をパクパクさせていた。
さて、銀八がこうなる前の3Zの様子を覗いてみましょうか…。




「ぎ…銀八を騙すってお前!!」

「…なんでぃ土方さん。面白そうじゃねぇですかぃ!俺は賛成ですぜ、晋助!!」

「ハァ…たく。どんな風に騙すんだよ」

「それはな…ちょっと耳貸せ」




高杉は、ニッと笑い円をつくりゴニョゴニョ話し始めた。神楽なんか、目を輝かしている。




「なるほど!!それなら、銀ちゃん騙されるネ」

「で……誰にするんだ??晋助」

「んだよ土方さん。何だかんだ楽しそうじゃねぇですかぃ」

「うるせっ!」

「……よし、そこの四人ジャンケンしろ。負けたらやってもらう」

「「「「え゙……」」」」




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