短編
□遠い昔の約束
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『銀時!てめぇ今回ばかりは許さねぇ!』
『うるせぇよ、馬ー鹿!悔しかったら俺に勝ってみろよ』
『上等だよ!!』
その際に書斎部屋から大切な恩師が出てきて、俺たちの頭を撫でて微笑んだ。
†遠い昔の約束†
「銀ちゃん、団子食いたいアル」
「食いたいのは銀さんも同じだよ!だけど神楽ちゃん、何処にそんなマネーあるの?」
確かに、良い日だ!だけど、いくら良い日でも金はやってこねぇんだよコノヤロー!
七夕祭り、が今年から始まったものの、財布はスッカラカンなんだよバカヤロー!!
誰か金くれー!!
「銀さん、そうゆうのは心の中で言って下さいよ…恥ずかしいですから」
「……あら、口に出してた?」
「はい」
そう、と呟き銀時は後頭部をポリポリと掻いた。溜め息が一つこぼれる。
すると、隣りにいる新八が、キョロキョロと辺りを見回している。どことなくだが、かなり焦っているようだ。
それを、横目で見ていた銀時は嫌な予感を抱きながら新八に問い掛けた。
「…どうしたの、新八くん」
「か…神楽ちゃんがいないんですよ、銀さん」
「……え゙」
嫌な予感的中!銀時も新八同様、焦りながらも神楽の姿を探した。神楽であるからこそ、余計な事をしそうで二人は心配なのだ。
そう思う二人に神からの悪戯か、やけに店が騒ぎ始めたのだ。
そこは団子屋であり銀時たちは冷や汗をダラダラと流しその場所を見つめた。理由は先程、神楽が食べたいと言っていたからだ。
「じょ…譲ちゃん!お代、お代!!」
「ないヨ!今日は良い日アル!タダ天国ヨ」
「いや、意味分からないから。良い日にタダだったら店潰れるから」
「固い事言うなヨ!腹括るア、」
「なにしてんだ、てめぇはぁあぁあぁ!」
「……ぅぎゃ!」
銀時は、神楽の側まで行くと思い切り頭を殴り付けた。神楽は持っていたタレだらけの皿を顔面に浴びた。ガバリッと顔を上げれば勿論、団子のタレ塗れである。
「な、何するアルか!!この天然パーマ!!」
「おめぇこそ何晒しとんじゃバカヤロー!」
「あの時は団子たらふく食べれたアル!アレは良い日だったネ!」
「アレは訳ありだっただろうが、阿呆かお前!?…分からねぇ人はコミック十三巻の第百九訓を見てね!」
「…誰に言ってんすか?」
銀高サイト寄ってくれてる人様にだよ!と新八に言いつけるが、団子屋を開いていた人物が銀時と新八に近付いて来る。
逃げたいところだが、神楽に話したうえ今更、赤の他人とは言えない。
「お客さん、お代…払って、いや…払え」
「やだ、怒ってるみたいよこの人。し…、新八くん、どうにかしろよ」
「神楽ちゃんが何本食べたか分からないし、僕がどうにか出来る訳ないでしょ!」
「銀時ではないか、何しておる?」
後ろを振り向くと女装した桂が立っていた。
隣りにはオバQみたいなエリザベスがいる。
銀時と新八は顔を見合わせると目を光らせたのだった。
「ヅラ!!聞いてくれよ」
「ヅラじゃないヅラ子だ。…そして何だ?」
「俺たちコイツにカツアゲされてんだよ。どうにか助けてくれ!」
「なんだと!けしからん事だ!」
桂はズイッと銀時たちの前に立ち、本当は店主であるを人物を見つめた。
銀時はニヤリと笑い、神楽を連れ一歩一歩と後ろに下がり、その場から逃げ出した。
後ほど、本当の理由を知った桂は、まんまと騙されてしまったのだった。
「ヅラが来てくれて助かったぜ」
「悪い事しちゃいましたけどね」
「いいか神楽。お前が迷惑かける度、こうやって犠牲者になるモンがでるんだ」
「…ごめんヨ」
神楽は素直に謝る。しかし、本当に謝らないとならないのは万事屋一行である。
関係のない桂を巻き込んだのだから。頭の隅で謝って済ませようとする銀時であった。
「おぉ、金時〜。何処かで会えると思っちょったぜよー」
「銀時だっつの!…坂本もやっぱ来てたか」
「七夕じゃからのぉ!アッハッハッハッハッ!!」
馬鹿笑いに銀時たちは、苦笑い。
坂本は昔から呑気なキャラであった。その呑気さが逆に何気に癒されるのだった。
「銀時!!貴様、よくも騙してくれよったな」
「あらま、ヅラ子ちゃん。悪いねー。今まで迷惑かけて来たからっつー事で、はい終了〜」
「黙らんか!おかげで金欠になりかけだ!」
「なってないんだろ!なら良いじゃん!!こちとら一円玉さえねぇんだよバカヤロー!」
肩を切らし、桂とエリザベスが立っていた。
お代を払った後、銀時たちを探していたのだった。騙された挙げ句に金まで取られるとは黙ってはおけない。
夕方に馬鹿二人が言い争い、阿呆一人がソレを見て大笑い、そして子供二人は呆れ顔だ。
止める気力さえ湧かなかったのだった。
「大体何だ!その頭はいつも以上に跳ねておるぞ!!」
「うるせぇな!!好きでピョンピョン跳ねてる訳じゃねぇよ!!てめぇこそ、前より髪が抜け落ちたんじゃねぇの?!リーブ21でも受けてろ、馬ー鹿!!」
「フン!ストレートが羨ましいからと嫉妬するな。見苦しいぞ銀時」
「はぁあ?!馬鹿ですか??あ、言わずとも馬鹿だったか、ごっめーん☆」
一歩足りとも引かない二人に新八は溜め息をついた。こんな大人にはなりたくない、と。
いい加減、二人の間に入らないと終わる気がしなかったので新八は、そろそろ止めに入ろうとした直後の事だ。
周りが再び騒ぎ始めたのだった。直ぐさま隣りを見ればちゃんと神楽は側にいた。
しかし、この音は何かに攻撃された音に近かったのだった。
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