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□第1話
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「ほらよ…出来たぜ」

「あ…ありがとう。
わざわざ、ごめんな。」

「別にいい…。」



部屋に入って思った事は…綺麗な部屋だった。



「なぁ、名前なんて言うんだぁ…?」

「あー、俺は坂田 銀時って言いまぁす。」

「俺ぁ、高杉晋助だ。」

「そっか、よろしくな。
ところで、高杉は此処で何してるの…??」

「ん…??」



"男娼だぁ…。"



「……。」




……今何言ったこの子。
男、娼…
という事は此処って…
遊郭ぅぅぅぅぅぅぅ!!!?
え…まぢか!
そんなあっさりと言うかな普通?!



「クク…何動揺してんだよ」

「普通するでしょ。
しない奴が居たら見てみてぇよ」



道理で綺麗な部屋な訳だ。



―コンコン



「何だ?用はそこで言え」


高杉は人指し指を口元に当てて黙るように俺に伝えたバレないようにしてくれてるのだろう。



「お得意様が来られましたのでご準備を…」

「……分かった。下がれ」



お得意様が来た…。
なら、高杉はそいつに抱かれるって事なのか…。


「お前…なんで遊郭なんかn「坂田…」



高杉は、俺に振り向き悲しそうな笑みをし…こう言った。



"また、来てくれるか…?"


「…え」

「今度は、ゆっくりお前と話したい」

「…いいぜ。じゃあ、な」

「…あぁ」



俺は、高杉にそう言い最初上がって来たと同じように降りて言った。
地面に着き上を見上げるとお得意様の奴の声がする…。



「……。」

「あんた、今あそこから降りてきたのかい?」

「ん……あぁ。」



見られていたのか三十代後半の男が突っ立っていた。



「という事は高杉さんに会ったんだなぁ。
運いいなぁ、あんた。
あの方は、金持ちの人しか会う事が出来ない人でねぇ」

「そうなのか…?」

「おや、知らなかったのかぃ、兄ちゃん。
あの方は、此処…
“floral clock”のNo.1なんだよ。」

「……へぇ」



そりゃ…そうだ。
あんな美人なんだし…。
けど…どうしてだろうな。




すっげぇ気に入らねぇ…




そう思うのは自分にも分からなかった…。
そして…頭から離れない
悲しそうに笑ったあいつの顔―……。




*next*


floral cloak…花時計

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