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□第3話
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朝、偶然外の景色を見ると…
銀髪の男が同じ場所をウロウロしていた。
あれはどう見ても…あいつだ



来てくれたんだな…。



「銀時…。」

「…あ。よ…よぉ。
今、上がってもいいか…?」

「クク…あぁ」



そう言うと上がって来た。
近くで見ると少し元気がなさそうだ…。
顔色が悪い…。




「悪ぃな。急に会いたくなったんだ…高杉に。」

「偶然だな…俺もだ。」




会いたかった、だなんて嬉しい事言ってくれるじゃねぇか。



「……なんかあったか?」

「…どうして??」

「俺に隠すな…。
嫌な事あったなら気が済むまで話せよ。」

「…分かっちゃったぁ??」

「バレバレだ、下手くそ」




ハハハ、と無理して笑うこいつに少し心が痛んだ…。
何に苦しんでいるのか、全く分からない。



「昔の…」

「…あ??」

「昔の夢を見たんだ…」

「昔の…夢って??」

「知りたい??」

「そりゃあ…な。(なんか違う意味でイラつく)」

「教えるかわりにさ…」




高杉の事も教えてよ…。
全て……。




「……。」




そう来たか…。
今までのこいつの人生を聞く代わりに俺の人生を聞くつもりか…。



「…分かった」

「なら…話す。」




話して気持ちが楽になるのなら構わない。
こんな元気ない奴なんか見たくない。
こいつには、笑っていて欲しい…



「俺さ…昔、攘夷戦争に参加していたんだ」

「攘夷戦争って…二十年前の天人襲来の時に起きた外来人を排する為の戦、だよな」

「あぁ…。
開国を迫る奴らに危機感を感じた侍が、奴らを追い払おうと戦ったが、幕府は奴らの強大な力を見て侍を置き去りに奴らと不平等な条約を締結しやがったんだ」


「…酷い話だな」


「その後は侍から刀を奪い、
攘夷志士は大量に粛清されちまったんだ。」




…こいつが、昔あんな酷ぇ戦に参加していたなんて考えもしなかった。
平和ボケ、と思ったが…
奴にこんな過去があったなんて…。



「まぁ、そんな夢見たの。
…じゃ、次高杉の番。
なんで遊郭に入ったの??」

「……。」



言う約束であいつの過去を知ったんだ…。
俺も教えないといけねぇよな…。
どう思われても気にしない。



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