連載

□第4話
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「只今皆の銀さんが帰りましたよー」

「お帰りなさい、銀さん。
あれ、何か朝の雰囲気と違いますね」

「気分転換に良い所行って来たんだよ」

「へぇ、そうなんですか。
なんかそこで良い事があったみたいですね。
嬉しそうですよ、銀さん。」

「まぁな…新八くん、お茶」

「はいはい」





そりゃ良い所だよ。
なんかあいつと居たら落ち着く。
昔の夢を見て気持ち悪かったけど嘘みたいに気分が良くなった。



「帰ったアルヨー。
新八!酢昆布茶が飲みたいネ」

「神楽ちゃん、酢昆布茶なんてないから。
あとそんなモノをお茶なんかにしたら病気になるよ」

「そんなモンとは酢昆布様に失礼ネ!!
それで病気になったら本望ヨ」

「何だよ、その本望は!!?」




今日の新八くんも、ツッコミが凄いと思いました…。
日記の書き込み出来たぜ。

おぃ、誰だ。
今ちょっぴし退いた奴。
ちょ!!まぢやめて!!
ガラスのハートに傷付いちゃうから!!




―ニャア




……ニャア?
今何処から聞こえた??
あ、そういえば神楽の奴…
なんか箱持ってない??




「神楽…お前、何持ってんの?」

「あ、忘れてたヨ。
銀ちゃん、見てよ可愛いアルヨ」





箱から取り出されたのは…、
小さな黒猫。





「か、神楽ちゃん。
それ拾って来たんですか?!」

「拾ったと言うより、助けてあげたアル。だってこの子…」



天人に捕まりかけたアル。




「―…ッ」




『小さい頃…実の親に売られたんだ。
よりによって…天人に』





ふと高杉の言葉と悲しそうな顔を思い出した。
天人に捕まった…高杉。
そんな奴等に売られるのは…どれ程悲しい事か…。




「神楽ちゃん、かと言って持って帰っちゃ駄目だよ。
さ、外に連れて行きましょう」

「いやヨ!!また、狙われるかもしれないアル。可哀相ね」

「でも、僕達にはもう定春がいるんだよ?これ以上増えたら大変だy「異議あり。」



所詮…野良猫だ。
新八の言ってる事は正しい。
正しいかもしれないが…、
今回は神楽に賛成だ。
外に放してやったとしても、
また捕まる恐れがある。
野良猫だから捕まえて…
"売る"つもりだ。
そして…金儲けをする。
高杉がされたように…。



俺は、腰掛けから放れ二人の共へ歩み寄った。



「銀さん!!異議ありって言っても無理でしょ」

「……。」




無言のまま神楽から黒猫を
抱き上げた。




「お前…あいつそっくりだな。
綺麗な藍碧の目持ってるじゃねぇか。」

「ニャ…?」

「銀さん、聞いてますか!?」

「うるせぇぞ、ダメガネ」

「んだとコノヤロー!!」




こんなに可愛くて小さい黒猫を外に放すなんて考えられない…。




「定春は二人で世話してんだろ。
なら、俺ぁこいつを世話する。
それで解決だ……」

「さすが銀ちゃん!!」




嬉しそうに俺の指をペロペロ舐めている。
名前は―…「クロ」でいいか。


明日は…首輪を買ってやらねぇとな。



「今度…お前に似た奴に合わせてやるよ。
きっと気に入る筈だ…」

「ニア…??」





なぁ、高杉…。





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