連載

□第5話
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夜1時店が閉まって何分か時間が経った時…。



「ニャア〜」

「………」



窓から突如黒猫の顔がひょこりと現われた。
どうやってここまで来たのか?
猫が来れる高さじないのに。
不思議に思っていると猫の下にフサフサ揺れている銀髪



「クク…銀時か?」

「当ったりぃ。お邪魔するぜ」


猫を抱えて入ってきた。
黒猫は銀時に懐いている。
銀時がソファに腰をおろすと黒猫は銀時の膝に座った。


手を差し出して見ると俺の手のひらに頬をすり始めた。
ゴロゴロと喉を鳴らしながら。



「可愛いな、こいつ。
どうしたんだよ」

「ん、拾ったんだよ。
銀さんが飼ってあげたのさ」

「へぇ…お前が。
で名前は??」

「クロにした」

「そうか」




…お前は良いな。
自由きままで…。
銀時に触られて…。
幸せだろ。
羨ましいな…お前が…。




「俺より高杉が好きみてぇだなぁ。」

「…あ」



いつの間にか俺の膝の上に黒猫が、ちょこーんと座っていた。
可愛らしいく自分を舐め、俺と一緒の色を持つ藍碧の目が俺を映す。
撫でてやると一声泣き尻尾を振り出した。



「銀時…なんか食うか??
それとも、酌してやろうか?」

「いいのか??」

「遠慮なんかいらねぇよ」

「なら、酌して貰おうかな」

「分かった」



下の奴等に酌を持ってくるように頼みその間、猫と遊んだり銀時と日常の話しをした。



「クク、一度会ってみてぇなぁ。
その"神楽"って奴に。
どんだけ大食いなのか見てみてぇ…。ツッコミの"新八"って奴と、"定春"っつー奴にも会ってみてぇ。
つうか、お前んとこ楽しそうだなぁ」

「ハハ…会うのは止めとけ。
高杉か弱そうだから、身がもたねぇよ。」

「ほぉ、言ってくれるじゃねぇか。これでも強い方だぜ?」

「高杉さん、持って来ましたが、持って入りましょうか?」

「いや、いい。そこに置いとけ」



承知したようで足音が消えていった。



「ホラ、酌してやるよ」

「さんきゅー。
此処No.1の高杉に金持ち以外の奴に酌して貰えんのやっぱり嬉しいわぁ。」

「大袈裟すぎだろ…。
俺なんかより、美人な女に酌して貰う方がいいだろ」

「女より綺麗なの…高杉は」

「……な」

「ハハ、顔赤ぁぁい。」



糞…調子狂うな。
黒猫のクロなんか…、俺の膝の上で気持ち良さそうに寝ている。
ときたま、片耳をピクピク動かしている。



「そろそろ見回りに来るから、帰った方が良いな」

「そうか、まだ話したかったな
ま、酌して貰ったから良いけどね♪」



ちょこを起き、寝ているクロを起こす。
起きたクロはヨロヨロ俺の膝から降り銀時のところに行こうとしたが、ボケているのか、てこっと転んだ。
仕方なく銀時が片手で抱えてあげ…窓縁に乗り上がり
体ごと俺に振り向いた。



すると…左頬に暖かさを感じた。
気が付けば銀時が左頬を撫でていた。



「なんつー顔してんだよ。
せっかくの良い顔が台無しだぜ?」

「……。」

「……。」




暗いのに銀時の目は紅い色をしていて…とても綺麗だと思った。
嬉しくて左手で左頬にある銀時の手を覆う。




「あのさ、高杉…??
キス、していい??」

「…え」




その直後唇に暖かくて柔らかいモノが当たった。
銀時がドアップで目が合い細められた。




「…おやすみ」




唇が放れそう言い下に降りて行った。




俺は、デカい背中を見送っていると振り返りいつも通りに手を振ってきた。
振り返したが未だにドキドキしている。





嬉しくてしょうがない…。
きっと今の俺は顔真っ赤だ。




*next*

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