連載
□第9話
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「頭痛ぇぇぇ」
「だから言ったじゃないですか!!あまり飲み過ぎないでって」
「うるせぇなぁ、頭に響くから叫ばないでくれる??」
「ハァ、なんでこの人は後の事を考えないんだろ?」
「後の事を気にしていたら何も始まらないよ、新八くん」
高杉と飲んでからの次の日銀時は頭痛に唸されていた。おまけに今日は、依頼で小さな子供の子守り。子守りをするだけで金が貰えるのならまだ楽だ、と依頼を引き受けた時はそう思っていたが今は不調で飲み過ぎた事を後悔中…。
仕方ねぇだろ…?
高杉に酌して貰いながら一緒に飲むなんて嬉し過ぎてつい勢いで飲んでしまったんだから。
「ウルトラキーック!!!」
「あだぁッッ!!!!んの餓鬼んちょ、銀さん頭痛いの!!頭蹴るとは何様ですかコノヤロー!!眼鏡少年の所へ行け!」
「ウルトラパーンチ!!」
「ウルトラガード!!!ってウルトラってなんだよ!!!?ウルトラマンかお前?!つか、人の話スルーするな!!」
「おじさん…何ギャグ言ってんの??」
「おっ!!!?…おじさんじゃねぇぇぇ!!!銀さんと言いなさい!俺まだ20代前半だからッ!そして、ギャグじゃねぇよ!!無視するなって事だ、馬鹿」
「あんた、子供相手に何ムキになってんすか」
そうアルヨ銀ちゃん、と神楽は定春に乗っかり酢昆布を食べながら呟く。
銀時は、何もしない二人をガルルルルッと唸りながら睨む。
「だったら、こいつの相手しろよな!!子供は外で仲良く遊んで来なさい!」
「だって、そいつ銀ちゃんに懐いてるヨ。きっと銀ちゃんと遊びたいんだよ」
「定春が怖ぇだけなんだよ!!だぁぁ、髪引っ張んなッ!!ハゲる!!!いやな天パでもハゲるのは困るからッ!!!」
「おじさ「銀さんと呼べって言ってんだろ…??え?」
銀時は子供の頭を鷲し掴み苛立ちの笑顔で言った。子供は、きゃっきゃっと笑い銀時の前髪を下へと勢いよく引っ張った為、ブチブチと数本の髪が抜け銀時の叫び声が万事屋中に響き渡った。
「てんめ、コノヤロッッ!そんなに締めて貰いてぇか、そうかそうか。なら、お望み通りにしてやるわぁぁ!!!……ゴバァァ!!?」
「こんな小さな子供になんつー事を言うんだ貴様は!!」
「痛ぇじゃねぇか!!頭蹴るんじゃねぇよ!頭痛ぇんだから!!…っていつの間にいんだよ、糞ヅラ!!お巡りさぁぁん!!指名手配人が居るよぉ、泥棒が居るよぉ、ヅラ被ったおっさんが居るよぉぉぉ!!!」
「ヅラじゃない泥棒でもない、桂だ!!」
「うるさいですよ!2人共!!んで桂さん…そのシチュエーション飽きました。」
「そうヨ、いくら言ってもお前は「ヅラ」のままヨ」
おのれ等ぁぁと桂は拳を震わしながら怒りに絶える。側に居た子供が桂の頭をポンポンと叩きよしよしと撫でた。桂は、目をキラキラさせ子供を見つめた。
「ほら見ろ!!銀時!!この子は良い奴だぞ。俺を「ヅラ」とは言わない」
「餓鬼がいきなり言うかよ。バ〜カ」
「それなのに貴様は!!こやつを殴ろうとしたんだぞ!!」
銀時と桂がもめている最中小さな子供は何かに閃いたのか伸びている髪を両手で掴み思いっきり引っ張った。
「ぎにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」
「うるせぇよ!!!頭に響くって何回言えば良いんだよ、このタコッ!」
「おお、お前、いきなり何するんだ」
「…だって銀さん達が、おじさんの事「ヅラ」って言うからホントにヅラなのかなって…。撫でてもヅレないから引っ張ってみた…」
「……」
「ブハハハハハ、ヅラァとんだ誤算だったなぁ。…ん、今俺の事「銀さん」っつたよな、流石やれば出来るじゃねぇか。」
神楽と新八も頑張って堪えていたが遂には、笑いが吹き出てしまい笑い声が居間中を包み込んだ。桂ときたら、ショックだったのか俯きブツブツと呟いている。
「分かったら、早く帰れよ」
「…は、………って………わ」
「「「……は??」」」
「貴様等は、いつもいつも人の事ヅラヅラ言いおって…」
「ちょ、桂さん??此処でキレたら大人気ないよ??…ハハ」
「締め殺してくれるわぁぁ!!!!」
「ヅヅ…ヅラがキレたぁ!!逃げろぉぉ!!!」
大人1人と子供3人と犬1匹は慌てて万事屋を飛び出て桂から逃げるが、桂はサイヤ人並みに髪を全て立て怒りのオーラーを漂わせ4人を追いかけるのであった。
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