連載
□第10話
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銀時達は、なんとか天人から逃げる事ができ万事屋に無事ついた。新八に手当てをして貰い銀時は、ふぅと溜め息を一つついた。
「銀さん、大丈夫ですか?」
「これぐらいど〜って事ねぇよ」
「銀ちゃん頭のかすり傷どうしたアルか?!」
「おめぇのバカ犬にやられたんだよ!!神楽ちゃん!!!」
「わん!」
「わん!じゃねぇよ!!!馬鹿」
「定春、あいつの頭砕いて良いヨ」
「…ごめんなさい」
銀時は、さっき天人が言っていた「爾来」という天人の事を考えていた。銀時達を襲ってきた「爾来」の複数の部下。そして、爾来が考えている計画。
「そういえば、ヅラ。なんであの場所が分かったんだよ??」
「お前がその道の方向へ曲がって行ったのをエリザベスが見たようでな。リーダーを連れて来たんだ」
「そうか。で…ありゃなんだ?」
「あれは、あそこを守る天人だ。実はだな、あそこに遊郭:floral clockは認められてない店なんだ。真選組にも知らされていないらしい。つまり、無許可営業という事だ。」
「…え?!」
floral clockって高杉がいる店だよな…。
どうゆう事だ??
「なんで、分かってねぇんだよ?」
「あそこの道の商店街はな…店が閉まっていただろう」
「あぁ、閉まってたな」
「あそこは、もう使われていない店ばかりだ。だからないと思い込み気付いてないんだ」
銀時は、少し考え立ち上がった。
「銀時何処いくんだ?」
「ちょっくら用事を思い出したんだよ」
「無理するなよ」
「へいへい」
*
「晋助」
「…んだよ、爾来」
「話があってな」
高杉は、疑問を抱え爾来を部屋へと招入れた。爾来はベットの上にドカリと座り足を組む。高杉は、その態度が気に入らず爾来に聞こえないように舌打ちをした。
「晋助…」
「なんだよ、用事があるなら早く言えよ」
「……銀髪の男を知ってるか」
「……知るわけねぇだろ」
銀髪の男……銀時の事か?!
何があったんだ…??
…そういえば、さっき外が騒がしかったし、
見張りの天人が走って行くところを見たな。
「そいつ等がなんかしたのかよ」
「いや、していない。ただ怪しい奴等だったからな。それに人間は夕方から夜に通って良い事になっているのに奴等は昼に通って来てな」
「それは、お前が勝手に考えた事だろ?それに、此所は―…!!」
ベットが軋む音がし、気付けば高杉の視界は真っ白な天井と爾来がいた。
押し倒されたのだと遅れて気付いた。
「晋助、お前を買ったのはこの俺だぞ。お前は俺の言う通りにすればいいんだよ…分かったか」
「……」
「本当に銀髪の男の事を知らないんだな」
「…あぁ」
「なら良い」
そう言うと高杉から退き襖の方へと歩いて行き出ていく途中に後ろを振り向いた。
「もし嘘付いてたらただじゃ済まないからな」
「……」
パタンと襖が閉まり高杉は、ふぅと溜め息をついた。高杉は、爾来が怒るとやばいと分かっている。分かっているから、銀時に危害が食らうぐらいなら高杉は自分が危害を食らえばいいと前々から考えていた。
「…ニャア」
「…??あ、お前銀時の猫じゃねぇか」
窓を除くと銀時が登ってくる時に使う屋根の上にちょこんと座っていた。
「猫は自由に出て自由に家に帰ったら良いんだよ」
「……高杉」
「…え」
黒猫はリンっと首輪の鈴を鳴らして何処かへと歩いていった。下を見ると、銀髪の男が立っていた。木刀を握って…。
「高杉、少しいいか?」
「…あ、ぁ?」
……銀時、怒ってるのか?
なんで??どうしてだ??
銀時が部屋に入って来ていきなり腕を捕まれベットに押し倒された。本日2回目。
「ぎ…銀、時」
「なぁ、お前"爾来"って奴知ってるか。」
「…知ってるさ。爾来は俺を買った天人だ」
「そいつに会わせろ」
「…無理な相談だな」
「お前…無断営業だったって事知ってたのか!?」
「…知ってる。」
「知ってて…知っててこの仕事やっていたのか!!!とにかく、爾来を出せ」
高杉は銀時から目線を外してさっきのと同様、真っ白な天井を見ていたが、初めて銀時を睨んだ。だが、銀時も初めて高杉に見せる目をしていた。見た事もない銀時に高杉は少し背筋がゾクッと来た。
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