連載

□第13話
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「……。」



万事屋についた4人は座り黙り込んでいた。沈黙だけが続いており神楽は落ち着いていられないのだろう服を握り締めそわそわしている。銀時は、俯きさっきから左手を見つめていた。さっきまで、この左手を包んでいた高杉の右手。高杉は自分の気持ち見せないつもりでいたらしいが銀時は、気付いてしまった。




あいつの右手……震えていた、な。
大丈夫じゃない顔していたけど…ホントは怖くてたまらなかったんだ。
また………助けられちまった。逆に助けられてるよ、俺ってば格好悪ぃ。




「銀ちゃん、ごめん。私がもう少し耐えていれば良かったヨ…」

「おめぇが悪い訳じゃない…俺が無力だったんだ。」

「銀時…此所は強い助っ人に手伝って貰わないか?」

「強い助っ人、だと??」




うむ、と頷き桂は銀時を見た。桂の顔は真剣で良い案が浮かんだのだと誰もが分かる表情だった。




「ヅラ、その盗人って誰ヨ!??」

「いやいや、神楽ちゃん、助っ人ね、助っ人。」

「で、誰に手伝って貰う気だ?」

「……真選組だ」




三人の目が点になり神楽と銀時はストレートパンチを食らわし神楽は胸倉を掴みあげた。




「おめぇ何言ってるカぁ!!何で真選組なんかに頼まなくちゃいけないアルかぁ!!」

「大体おめぇ、指名手配人だろ。捕まりてぇのか?え??」

「私はサドと力合わせるなんか嫌だかんなぁ!!え??何とか言いやがれコンチクショー!!」




ブンブン左右に振られていて桂は、「あ」「う」と繰り返しながら上手く言葉にならなかった。新八は、苦笑いをして神楽にまあまあと言いながら割り込んでいった。




「眼鏡は引っ込んでろ!!だからダメガネって言われるんだヨ!!」

「関係ないでしょ!!大体、そんなに振ってたら桂さんも喋るに喋れないでしょうが!!」

「それもそうだ、神楽放してやれ」




ちっと舌打ちをして神楽は桂を放した。桂は、安堵の溜め息をついた。




「銀時、言っただろう。あそこは…無断営業だと。」

「…だから?」

「まだ、分からんのか。全く貴様と言う奴は」

「んだと糞ヅラ!!」

「落ち着いて下さい、銀さん。無断営業したらどんな理由やお金を払おうとも警察の真選組に捕まる。だから、桂さんは助っ人を真選組にしようと言ったんですよ」

「流石新八くん!!近藤、土方、沖田は結構強いだろ。だから、少しでも強い奴が居た方が良いだろう」




確かにそうだが、あいつ等が力を貸してくれるだろうか。と銀時は思っていた。銀時だけじゃなく神楽と新八もそう思っているだろう。何も言えず黙り込む万事屋一行。




「「「………」」」

「何を戸惑っている??銀時、貴様は高杉と言う奴を助けたいのだろ??」

「あぁ。………ヅラ、何その格好」

「ヅラじゃないキャプテンカツーラだッ!!!」




しーん、と静まり返った。今の間いつの間に着替えてんの??つか、何処に着替えあったんだ??と言いたげに三人は見つめていた。




「これなら真選組にバレるまい!」

「いや、それするぐらいならヅラ子のほうがいいと思うぜ…」

「そうか…??よし、エリザベス!!」

「エリザベスさん、いたのぉ!!」




銀時は、そこで着替えてんじゃねぇよ!!!と蹴り飛ばし、寝床の部屋に押し入れた。一段落着いて銀時は、ふーと溜め息を着きソファに腰を降ろし頭を抱えた。不安は募るばかりで落ち着けなかった。




ごめん、ごめんな……高杉。
何もしてやれなくて、あいつに捕まって何されてる…?酷い事、されてるだろうな。ホントに…無力だよ俺ぁ。




「銀さん…どうぞ」

「あ??…あぁ、…さんきゅ。」




銀時の様子が変わった為、お茶を淹れた新八がコップを差し出した。一口飲むと同時に寝床の襖が開いた。




「よぉ、ヅラ子ちゃん。」

「フン、早く行くぞ。パー子」

「今はパー子じゃねぇだろ馬鹿ですか」




エリザベスに留守番させた四人は万事屋を出て真選組屯所へと向かった。






「ん…あぁ、旦那じゃないですか」

「よぉ、ジミーくん。大串くん達今いる??」

「はい。局長達ならいますよ」

「じゃ、お邪魔しまーす」

「…え、ちょっと」




あだ名、ジミー。山崎退の横を過ぎ通るとしつこく用事の内容を聞いてくるもんだから神楽が回し蹴りをし、山崎は壁にめり込んでしまった。




「こんばんみー。取り込み中失礼しまーす」

「旦那どうしやした??」

「万事屋、何しに来やがった。」

「ちょっと話しがあるんだ」




ヅラ子。否、桂が間を割り込んで話すと近藤達の視線が一斉に桂に向かった。三人揃って口を開け誰?!とハモって呟いた。





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