連載

□第15話
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「……」



目が覚めると爾来の部屋だと思われるベットに寝転んでいた。あれから、気を失う寸前に爾来に下ろされベットへ寝かされたのを薄々覚えていた。そしてある感触が唇に感じた。高杉は、片手をゆっくり唇に当てなぞった。高杉はすでに気付いていたキスされたしかない。唇を触った片手をゆっくり額にあて目を閉じ再び開けると手首が真っ赤であることに気が付いた。両手首を見る真っ赤だった。長時間縛られていたのだからそうだろう。




「……く、そ…ッッ」




何度も殴られ何度も口の中切らした為喋ると傷口が痛んだ。高杉はギシギシと痛む体をゆっくりと起こした。




「……ッ」




ベットから降り高杉は爾来の部屋を出ようと取手を握ったが話声が聞こえた。一つだけ分かるのは爾来の声ではない事だけだ。高杉は二人の見張りがいるのだろうと予測した。周りを見渡すと掃除に使う箒に目が付き高杉は箒をとった。




俺が、いつまでも大人しく檻籠にいると思うなよ…。あの日、爾来に犯された日は確かにあいつに裏切らない、と言ったが所詮それはただの助かる事を願っての事を言っただけ。




「さて…どうやるか」




高杉は、棒を振るった事がない。勿論、人を傷付けた事もない。高杉は頭の中で作戦を考えていた。何分か経って良い案を思いついたのか目を輝かせ、ドアノブを回し部屋から出ると天人二人の見張りに挟まれていた。




「し…晋助様、出てきちゃいけません!!」

「そうですよ。暴れるようでしたら外傷を食らわしてでも出すな、と爾来様から言われています」

「…ふーん、じゃ」




ダーっと走り出すと叫び声し二人が追いかけてくる音を確認し、次の曲り角を曲がる直前に止まり回れ右をして持っていた箒を横にし前に出すと猛スピードで走っていた天人の顔面に直撃した。天人は頭に星を浮かばせバタンと倒れた。




「…ざまあ、みろ……っ」




高杉も怪我をあちこちしているのにも関わらず走った為体中が痛んだ。少し痛みが退くまで休んでいたが、此所に居たらいずれかバレるな。と思い少しだけ休んだあと動き始めた。だが、自分の部屋からもあまり出た事ない為どの道を行けばいいのか分からなかった。




取り敢えず、見つからない事だけを考えて動くか。…出口はいつか見つかる、多分。











「真っ暗だ。此所どこ!?」

「知るか!!万事屋ぁ!!上から突っ込んだ方が早かったんじゃねぇのかよ?!」

「うるせぇなぁ!!この人数でも敵いそうになさそうだからこっち選んだんでしょうが!!」

「……銀さん」

「あんだよ、新八くん」

「ドアがありますよ」




ホントだ、と呟きその場まで近付くとそこから微かに光が漏れていた。どうやら此所らしく銀時は回りにいる新八、神楽、桂、真選組4人、を見ると7人とも頷き銀時も頷いた。




「しまって行くぞ!!!」

『おぉ!!!』




―ガチャ




「………」

「……あ」

「……侵入者だ!!!出合え、出合えぇ!!!」

「おぃぃぃぃぃぃぃ!!!!??いきなりかよ!!」




銀時がドアを開けた途端そこを通っていた天人一人に遭遇してしまい、非常ベルがジジジジと鳴り始めた。向こうから何だ何だと声が聞こえ足音が近付いてくる。




「ど、どうするんですか銀さん!!!いきなり見つかったら下から来た意味ないじゃないですか!!」

「貴様等何処からやって来た!!」

「銀時!!どうするんだ天人が来てしまうぞ!」

「…だ……」

「おぃ!!!万事屋、どうすんだよ!!」

「黙らっしゃあい!!!シャーラーップゥ!!」

「ぐはぁ!!!」




銀時が第一発見者の天人をけり飛ばした。




「耳元でぎゃあぎゃあうるせぇっつーの!!!バレたからなんだってんだ…んなもん、逃げんだよ!!」

「うむ、それしかないな。来たとしても倒しながら行けば良いな」




ドタドタと聞こえてくる足音から少しでも放す為銀時達は走り去って行った。勿論、五月蠅い非常ベルをぶち壊してから。




「大人数で動いてると不利でぃ。旦那、此所は二手に別れやしょう」

「総悟の言う通りだ。おめぇ等はそっち行け。俺達真選組はこっちへ行く」

「分かりました。気をつけてくださいね」




銀時達は、右へ曲り土方達は左へと曲がっていった。銀時達4人は先へ先へと走って行った。左右とも襖の道に出て迷いもなく進んで行ったが次に起きる事を知るよしもなかった。今までに感じなかった殺気に銀時は立ち止まったがその瞬間衝撃を受け、銀時は襖を破り吹っ飛んで行った。




「―…ぐッ!!」

「ぎ…銀さん!!!」




銀時に蹴りを食らわせたのは…爾来だった。
右の襖から出て来、銀時を襲ったのだった。




「やはり来たか。悪いが此所から先は行かせる訳には行かない。」

「貴様が爾来と言う奴か」

「如何にも。悪いが死んでもら…」

「んのッ…なあにしやがんだコノヤロー!!!」




破れた襖から出てきた銀時が刀を握り振り落としたが避けられてしまい床に突き刺してしまった。銀時は、打ち所が悪かったのか銀時は額から血を出し垂らしていた。




「銀さん大丈夫ですか」

「あぁ…大丈夫だ。それよりおめぇ等、見張りが来たみたいだ」

「やはりそうか。微かに殺気を感じていた」




桂が言った途端、続く道の左右にある襖から天人が数体出て来た。新八は持っていた木刀を構え、桂は刀を構え、神楽は傘を構えた。銀時は、正面に立っている爾来と睨み合っていた。




「お前が私の晋助に手を出した坂田銀時か」

「手を出した、って変な言い方は止めろよな…。つか、晋助は俺のだから。悪ぃけど晋助は自由にさせて貰う」

「あいつは、此所から出さす訳にはいかぬ。」




高杉が言っていた通り強そうだな。殺気が凄ぇ。だが…、そんなモン関係ねぇ…。
俺は……




「俺は、あいつを此所から連れ出す!!!!」

「ならば殺すのみだ!!」

「上等じゃねぇかぁ!!!」






バキンと刀と刀がぶつかる音が響き渡った途端、回りにいた天人も動きだし神楽達も動き出した。これから銀時と爾来の戦いが始ろうとしていた。






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