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□第3話
目が覚めた時は、何処かへ続く一本道に立っていた。いや…地面に付かない程度に浮いていた。の方が正しいだろう…。
此処が何処なのか何故自分が此処に居るのか分からなかった。
通りすがりの奴に聞いてみても返事が返ってこないうえ…俺を通り抜けた。
そこで分かったんだ…。
嗚呼…俺死んでんだ、って。
第3話
「ひーじーかーたぁ」
「……。」
「おい。無視んな…。」
「……。」
全く勉強熱心な事…。
俺は今、親友の土方の部屋に居る。
適当にふらついていたら知っている道に出た為、よってみただけ…。
「十四郎ー!!!大変!!!早く降りて来てちょうだい!!!!」
「何でだよ。後で良いだr「早く!!」
最大の舌打ちをし母親の元へと階段に向かったトシ。
「やっぱり…俺死んでんだ」
話しする事も…人に触れる事も…
出来なくなった―…。
信じたくなかったのかもしれない…。
自分が死んだ事を否定したかったのかもしれない。けど…これが真実なんだ
―〜〜♪
トシの携帯に着信が入った。
電話の相手は…沖田。
もう此処に居る必要はない…なら出よう。
そう思った途端、トシが戻って来て電話に出た。
「総悟…??どうしたんだよ…。
お前が暗いの珍しいな。……は…?」
電話の内容は分からない。
ただ血相変えて部屋を飛び出て行った。
「…何処行けば良いんだよ。俺ァ」
トシの部屋から出て何も出来ない空虚な時間…。出来るとしたら…ただふらつくだけ。
行く先なんて知らない…
回りも明るくなった頃には大学の校舎に居て回りにだんだん人が登校し始めていた。
俺は校舎内にある木に目がついてそこまで行き空を見上げていた。
鳥2羽が楽しそうに飛んでいる…。
それさえも羨ましく思えてしまった…。
「何でこうなったんだ」
不思議な事に何故自分が死んだのか分からない。どうやって死んだのか…
全く思い出せなかった。
途方に暮れていると…隣から声がした。
「おい、此処で何してんの?」
「……。」
そこには、銀髪の男が立っていた。
どうせ見えてねぇだろうし無視っとくか。
そう思っていると…
「おい、コラ!!!無視するな!!」
「…ぁ……。」
確かにそいつは真っ直ぐ俺を見ている。
だけどそんな筈はない。
念の為辺りを見回す。
「いやいや、お前に言ってんの。」
「…お、れか…??」
「他に誰がいんだよ此処で何してんの??」
「あ…あんた、俺が…見えんのか…。」
「はい…??」
いかにも…何言ってんのこいつ??と言いたそうな顔をしている。すると、その銀髪の後ろから長髪とモジャ頭が来た。
「銀時、早くせんか!!」
「金時。おんし、さっきから誰と話しちょる?」
「はぁ??誰って此処にいる奴とだよ。」
「…木にか??」
俺が見えない奴らにとったら今のこいつは確かに木に話しかけているように見えるだろう。少し状況が掴めたのかうっすらと顔色を変えて俺を見てきた。
「こいつ等の言う通り、俺ァ死んでる…。
つまり、“幽霊”だ。」
「〜〜〜ッッッ!!!」
声にならない悲鳴をあげて走って行った。
置いて行かれた二人は唖然としていた。
「……あいつ。本当に俺が見えんだ…」
死んだ奴が見えて俺の声まで届くなんて…本当なら有り得ないはず…。
だけどそんな奴が確かに今いた…。
俺は、必死になって逃げている銀髪の後を追った。空も飛べて壁まで通り抜けれるのだからすぐに追い付いた…。
こいつと話していたい…
そう自然に思った。
最初は、怖がって…?いた奴も次第に普通に接してくれるようになってくれた。
「しーんちゃんww」
そして今に至る。
「…銀時。また抜け出したのか??」
「晋助くんが寂しいかと思って☆」
「クク…馬鹿が」
「だって晋ちゃんが来てくれないから暇なんだもん。」
「…迷惑、かと思って。」
「思わないから!!!何勝手に思い込んじゃってんのッ?!この子はぁ!!銀さんそんなに酷い奴じゃないんですけどぉぉぉぉ!!」
「わ…悪ィ。」
銀時は、目を細めふわりと笑い俺を見た。
その紅い目に吸い込まれそうになった…。
「だから、晋助も来たい時に来いよ。
せっかく俺と話せるのによ。毎日でも大歓迎だよ」
「分かった。ありがとよ。
…で、今から授業に戻るのか?」
「んや…。晋助と話しとく」
「そうかぃ」
素直に嬉しかった。我慢しなくて良いんだ。
なら、次からは毎日てめぇの教師に出て来てやるよ。
「なぁ…銀時。」
次はどんな話しをする??
*next*
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