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□第4話




冬の朝は、やはり寒い。目覚時計が五月蠅い。
俺は、布団の中から手を出し時計を止めた。



「……。」

「……。」

「…何してんの?晋ちゃん」

「お前の上に乗ってる」

「……なんで?」

「……なんとなく?」

「(疑問形なんだ…)」





第4話





「起ーきーろー。」

「寝ーるーのー!!今日大学休みなの忘れてたのー、あと…3時間かるく寝る」

「そんなに寝れるのかよ」

「…うん」




目がウトウトし始めて寝れるかと思ったら晋助が物語を話しはじめた。
眠り歌代わりに聞いておこう…。




「あるところに女の子がいた。それはそれは美人であった。ある日、その女の子は担任の頼みで荷物を理科室まで持って行きました。
でも、その教室は真っ暗で不気味な所です。
なのに真っ暗な部屋に誰かが明かりも付けないで何かを探していました。女の子は、明かりを付けその子の側に行き、何を探しているのと聞いてみると…」

「……。」

「その子は顔あげ…こう言いました。
私の…私の顔が何処にもないのぉぉぉ!!!!」

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「翌日、理科室から表面だけが剥げた女の子の死体が見つかりましたとさ…」

「グロい!!!グロすぎるよ晋ちゃん!!!
普通、そんなんじゃなくてさ物とかにしようよ!!んで見つかってああ良かったみたいにさぁ!!!つか、何で理科室?!」

「理科室の方がゾクゾク感があると思ってよ。どうだ…目ぇ覚めたか?」




狐のような笑みを俺に見せた…。
やられた…。おかげで眠気なんてなくなってしまった…。




「たく…暇だからどっか行くか」

「やっとその気になったか」

「(その気にさせたんでしょうが…)」




渋々私服に着替えてアパートを出た。
それにしてもまぁ、可愛い起こし方だったな。




「銀時ぃ、回り見ろよ。もうクリスマスの準備してるぜ」

「ホントだな。
ん…ならあそこも準備してんのかな…??」

「あそこ…??」




まあ、付いて来たら分かるよ。と言いその場へと歩いて行く。クリスマスシーズンに欠かせないモノ…。




「着いたよ」

「でっけーツリーだな」

「だろ。此処クリスマスになると綺麗なんだぜ。
回りのライトも全部消されてイヴからクリスマスになったら点火すんだ…」

「そーなのか。見てみてぇなぁ…」

「見れるよ…きっと。
その時は一緒に見ような」

「……あぁ」




少し照れたのか頬がうっすら赤く染まっている。




可愛い奴…。あーもう!!すっげー触りたい。
つか…俺。確実に…晋助の事好きになっていってる。けど、こいつは幽霊で…俺は人間。
どう考えたって無理だ…




「銀時、あの二人…。お前の友達なんじゃ…」

「…げっ!!ヅラに辰馬…場所変えよっk「おぉ、金時じゃあ。」




最っ悪…。厄介な奴等に会っちまった。




「丁度良い銀時、一緒に何処か行かないか…」

「いや、俺は…」

「ほれ、行くぜよ」

「お…おい!!」




ちょっと、俺は晋助といたいんですけどぉ!!!晋助一人にしたら可哀相だろうが!!




「先に行ってろ!!後行くからよ」

「分かった、行くぞ辰馬」




二人が言ったのを確認すると晋助の方に振り返った。




「銀時、良いのかよ。」

「……ん」

「え…」





俺は、右手を差し出した。
幽霊なのは分かってる…
触れないのも分かってる




触れなくても透けない程度に握れば良い…。



「晋助が迷子にならないように銀さんが手繋いでてあげるww」

「馬鹿か………。」




と、生意気な言葉で返されたけど透けない程度に晋助は左手を置いた。





その仕草が可愛いかった





「よし、行こっか」

「あぁ」




ヅラ達と合流し、左からヅラ、辰馬、俺…そして、俺の隣には晋助。4列で商店街を歩いて行った…。




商店街には、クリスマスに向けての準備とクリスマスの曲が流れていた―…。





*next*


冬設定にしました。
今さらですが、銀さんは
大学生です。

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