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□最終話



晋助に会ってから1年が立ち俺は大学を卒業した…。




ヅラは白ペンギンと一緒に
理科の科学者となり…、
辰馬は社会の担任となった。




もちろん、俺は―…




卒高の国語教師に……。





最終話





「坂田先生、あんたはZ組の担任だからよろしくね」

「分かったけどさ喋り方めっさイラつくんすけど…。」

「余を馬鹿にしてるね。つか、それ余に聞く態度デカくない??新人なのに…。まぁいいや、Z組は問題児ばかりだから頑張ってくれい」

「へいへい」




校長室から出た俺は、3年Z組に足を運ばせた。てか、生徒多くない?!俺達の時は少なかったんだけどな。Z組遠いなぁ、おい。
職員室からめっさ距離あるじゃん!!
そいやーあれから晋助と会ってないなぁ。
俺、丁度受験だったし…。
あー、会いてぇなぁ…。




「ふぅ…やっと着いた。
ここか、問題児が多いのは」




まぁ…確かに、騒がしいな。元気が良くてなによりだ。だが…予鈴過ぎてんですけど。




「おら、お前等ー座れー!」

「わお!銀髪天パぁアル!!」

「んだとオレンジ髪」




ざっと見た感じ馬鹿そうだ。
あら…一人頭から血出して 座ってんですけど。なにがあったの…??えーっと土方くんか…。ま…いっか。それにしても目付き怖ぇな。




「はーい、俺は今日から此処の担任をする事になった坂田銀時でーす。よろしく、さて出席とんぞーいない奴手ぇ上げろ」

「いや…あの、先生?それ無理ですよ。」

「ふーん、ツッコミ役なんだ。
えっと新一くん?」

「新八です」




よし。1時間目は辰馬の授業らしいな。
なら…俺の役は終わりと。




「今日も適当に頑張るよーに」




そう言い教室を出ていった。
廊下を歩く途中ふと思い出した。




「久し振りに行ってみるか」




職員室の方向に行かず階段を上がって行った。行く先は授業サボりで使っていた屋上。




あ…、屋上で晋助に電話しよう
…てか、あいつ何組になったんだろう。




屋上の扉を開けて直後、黒髪に少し紫色が混じった子が座っていて俺に気付いたのかこちらに振り向き瞳が揺らいだ。そして走って俺の胸に突っ込んで来た。




「し…晋助」

「銀時!!!会いたかった…。」

「連絡しなくてごめんな。色々忙しくて」




首を横に振りながら抱く力を増した。
当たり前、俺も力一杯抱き締めた。
糞ぅ、可愛いんだよッ。




「此処に居るって事は教師になれたんだな」

「あぁ。なぁ、晋助は何組??」

「…Z組」




そっかぁ…Z組かぁ。
あそこまで行くの遠いよなぁ…………ん???




「え!!!まぢでか」

「あ??あぁ。え…銀時まさか」

「1年間一緒じゃねぇかぁ」




ぎゅうぅぅっと抱き締めた。
俺Z組の担任なのに知らなかったって…おいおい。まぁ、とにかく嬉しい…。
だけど、一番嬉しいのは晋助に触れる事…。
前までは幽霊で触れなかった
今思うと…凄い日々だった。
晋助が見えたおかげで毎日楽しくて毎日いろんな事を話した。




「今思ったんだけどさ…、あの話さ、実話になったな」

「え…。」

「ホラ、離れ離れになったけど最後に約束した場所で感動の再開をしたじゃんvV」

「…クク、だなぁ。実話になったじゃねぇか…。
夢みたいだ…。また、銀時とこうしていられるなんてよ」

「俺もだよ」




短かったようで長かった日々
それは、決して忘れないモノ。




「あ…知ってる??
あの話、最後にこんな話があったんだよ。」

「…何??」

「あそこのツリーは幸せを呼ぶ木なんだとよ…。んで、見た二人は―…」

「二人は??」




きょとんとした顔で俺を見上げている。
そのキラキラさせている目がまるで小さな子供に見えて、可愛かった。
そう思いながら晋助の耳元で呟いた。





「結婚して幸せに暮らしたってさ…。
俺らも結婚、しちゃう…??」

「―…ッ!!」




そんな事言ったら真っ赤な顔して殴られた。
冗談がきかない奴だけど、可愛い奴だよな…。今ので可愛いと何回思った事だろう。
あ、渡したいモンがあったんだった。




「晋助、これ貰ってくれる?」

「銀時、それ。」

「まぁ、俺の気持ち」




俺があげたのは水晶と誕生石で出来たブレスレット。晋助は8月生まれのペリドットで俺は10月生まれのオペール。それを晋助の左腕につけた。当たり前に俺もつけている。




「指輪にしようと思ったんだけどさ、いきなりはアレだろ?だから、これで」

「……銀時。ありがとう、すっげぇ嬉しくて言葉が出ねぇよ」

「これからもよろしくな?
"恋人"として…。」

「あぁ」




晋助ときたら照れ隠しに抱き付き顔を白衣に埋めている。あー、俺まぢ幸せ…。
ずっとその行動を見ていると顔を林檎のように真っ赤のにした晋助が顔をあげ…初めてねだって来た。




「なぁ、銀時…キス、しろよ」

「おまッ、まぢ可愛い!!」




君が望むなら僕はなんでもするよ…。




屋上でそっとキスする二人のブレスレットが太陽の光によってキラキラ光っていた。
まるで、あの時のツリーのようにキラキラと―…。




*fin*
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