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□第2話




「銀時に一本!」




高杉が来てから3日が経った今は、武術の時間。ヅラとの勝負に勝ったところだ。




「うむ…強くなったな銀時。」

「おめーが弱いんだよ」

「相変わらず言う事が酷いな」




この勝負は誰が優勝するかを争うゲーム。
毎回そんなのを楽しくやっている。
ただ…負けたくないのが、




「高杉に一本!!」




そう…高杉だ。





第2話





「晋助、凄いですね。
銀時と良い勝負になるんじゃないですか??」

「…銀、時??」

「ホラ、あそこの銀髪の子だよ」

「……。」

「……。」




高杉と目が合い睨み合う形となった。
絶対ぇ負けられない。
あんな奴に負けてたまるか。
チビなんかによ!!




「さぁ、決勝戦です!選手は銀時と晋助です。
前に出て握手を…」

「……。」

「……。」




絶対ぇする気ねぇ!!する訳ねぇじゃん!!
って、右手出してるしぃ!!
え…普通あんな態度とったんだから出さないよね?…まっ、いっか。




「よろしくな。」

「…あぁ、がっかりさせんなよ」

「ムカっ、そっちこそ」




バッと手を放し竹刀を握る。
銀さんイラついた…。
本気で行くからな!!
覚悟しろよ、チビ助。




「始め!!!」

「行くぞチビ助!!」

「かかってこいや!!天パァ!!」




――
―――
――――




あれから時間も経ち俺達の勝負は引き分けとなった。外に出て二人で草原にねっ転がった。




「ちぇ、引き分けかよ。銀さん屈辱ぅぅぅ」

「…言ってろ馬鹿が」

「んだよチビ」

「うるせぇよ、天パァ」

「ドチビ」

「天パァ頭もパァ!」

「酷っっ!!」




くくく、と笑い声がした。
あの高杉が笑っていた。




「悪かったな。あんな事言っちまって…」

「いや、いいよ。俺も言い過ぎた…」




なんだ…良い奴じゃん。
とんだ思い込みをしていた。
大嫌いじゃないかもしんね。よっ、と高杉が立ち上がった。




「天パァのわりには良い事言うじゃねぇか」



うん、やっぱり僕は君が大嫌いかな…。




そう言い歩き出した俺より少し小さな彼。
生意気だけどあいつなりの接し方なんだ…。



「何してんだよ…。
授業始まるぜ。早く来いよ。」




…銀時




「……あぁ」




やっと名前で呼ぶようになりやがった。
なんか嬉しいじゃねぇかコノヤロー!




だけど…




「話しかけんな長髪」

「長髪だけど桂だ」

「カツラ…?」

「被るモノではない!!!」

「とにかく話しかけんな」

「何故だぁぁぁ!!?」




ヅラと仲良くなるのはまだまだ先のようだ…。ドンマイ…ヅラ。
高杉の友達第一号は俺か…。
悪くねぇな…。




「高杉…この授業終わったら良い散歩道教えてやるよ。」

「ホントか」

「あぁ…後で行こうな」

「おう!」

「高杉、何故銀時とは話出来て俺とは出来んのだ!!」

「黙れ!!触るな!!簡単だ!!
ヅラが移るからだ!!」

「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」




高杉とヅラの追いかけっこが始まった。
でもそう長くは続かなかった先生が来ると不思議に静かになった。




先生の授業が始まっても内容は右から流れて左から出て行くだけだ。
頭に浮かぶのは高杉と何を話すか、とかそんな事ばかりでさっきから時計ばかり見ていて授業に集中していない。




早く終わらねぇかな。
高杉と散歩するまで…
あと45分…。




*next*

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