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□第4話




「…くしゅんっ!」



可愛らしいくしゃみが教室に響く。
勿論、した持ち主は高杉だ。


「なんだ、高杉風邪か?」

「馬鹿のせいで風邪ひいたんだよ」

「馬鹿とは、銀時の事か?」

「たりめぇだろ。馬鹿ヅラ」

「ヅラじゃない桂だ!」



そう、高杉は風邪をひいた。
昨日、雨の中銀時と騒いでいたからだ。
体がそんなに強くない高杉は、すぐ体調を崩してしまう。



「風邪ひいたんだってな高杉」

「誰のせいだよ、天然パーマ」

「お前にパーマの苦しみが分かってたまるかこのドチビ!!」

「んだとゴラァ!!」



ぎゃあぎゃあといつも通りの銀時と高杉のくだらない事での喧嘩が始まる。
それを近くで見ている桂は溜め息をつき肩をガクと落すのだった。




第4話




「くしゅん!!」

「高杉、大丈夫か??」

「ヅラに心配されたし…一生の不覚」

「何を言っとる、馬鹿者が」

「馬鹿はてめぇだ」




あー、頭痛ぇ…。ズキズキどころじゃねぇし。
自業自得、か…。
つか、何であいつは風邪ひいてないんだよ。




―ドカッ




「っで!!?」



庭で遊んでいたのかボールが飛んで来て見事高杉の頭に命中。
高杉は呻き声を上げて痛みに絶える。
投げた張本人はさっき高杉と喧嘩した人物だった。



「やっべー、よりによってあいつに当たっちまったよ。どーしよッ」

「……ク、クク」



高杉は、肩を揺らし笑った。
銀時は、危機を感じたのか後退りし、高杉は銀時に振り向き「息の根を止めてやる」と言う目で睨む。



「高杉、無理に動くと―…」

「覚悟しやがれ、天パァ!!」

「だぁぁぁぁぁ!!!!
落ち着けぇ高杉ぃぃぃぃ!!!」

「落ち着けるかぁぁぁぁ!!」


桂が止める言葉を無視り高杉は靴も履かず庭に出、銀時を追いかけていった。



「たた高杉、無理すっと悪化すんぞ?!」

「るせぇ!!だったら捕まれよ!
安心しろ、軽く捻るだけだ」

「絶対ぇやだ!!!」



銀時は、全力で走り高杉から必死に逃げ、高杉は必死に追いかける。



「ケホケホッッ」

「だぁかぁらぁ、キツいんなら無理すんなって!!」

「うるさ…」



前を懸命に走りながら銀時が高杉に言う。
素直じゃない高杉は、言う事なんか聞く訳ない。
特に、銀時には聞かない。



頭痛い、気持ち悪い…。
視界がグルグル回っている。
あれ……なんか変だ。



バタッという音がし、気になった銀時は後ろを振り向くと…、



「た…高杉!!!」



高杉がその場に倒れていた。
銀時は急いで高杉の元に駆け寄り抱き起こした。




「顔真っ赤じゃねぇか!!って、熱ッッ!!!
熱あるじゃんか!!」

「…ハァ、ハァ」

「だから無理すんなっつったろ!!」



高杉は顔色がだんだん悪くなり息を切らしていた。
銀時は、抱き抱え先生の元へと急いだ。



「ハァ、ハァ…ぎ、銀…き、のせい、だから…な」

「そうだな、悪い」



そう言った銀時の後に遠くからヅラの驚いた声が聞こえたが、意識を失いどうなったのかは知らない。




「…ん」




目が覚めるとそこはいつも目が覚めた時に見ていた見覚えのある天井。



「目ぇ覚めた?」

「銀時…」



銀時は、高杉に冷たい水で濡らしたタオルをでこに置いた。
いつも以上に大人しい銀時。
相当反省しているようだ。



「悪かったな」

「何で高杉が謝んの??」

「無理するなって言ったのを無視ったからこうなったんだ、それに此処まで運んでくれたんだろ?」

「高杉は悪かねぇよ。」

「両方悪いんだ、戯け…。」



銀時の声でも高杉の声でもない声がした。
声がした方へと向くと予想していた人物だった。



「「やっぱり、ヅラか。」」

「ヅラじゃない桂だ!!」

「桂はどっちみちカツラだろ??なぁ、高杉」

「…あぁ」

「貴様等ぁぁぁ!!!」

「うっせーよ!!高杉の熱が悪化するだろ!」

「いや、てめぇの発言も頭に響く」



ほら見ろ、と言う面を二人はし黙る。
そんな中、襖が開き松陽が入って来た。



「具合はどうですか?晋助」

「だいぶ楽になった」

「そうですか、良かったです。
ほら三人共林檎を持って来ましたよ」

「さんきゅ先生」

「銀時、敬語を使えと言っているだろう!!
…ありがとうございます、先生」




三人は林檎を食べ始めた。
時々、銀時と桂の取り合いもあったが賑やかになり部屋から笑い声が漏れ始めつつあった…。




*next*


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