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□第6話



「ヅラは…いつまでもヅラのままだぁぁぁ!」

「一片あの世の門を潜らせてやろうか?」

「遠慮しときまーす」

「ヅラのバカヤロー!!!」

「高杉ィィィ!!!!」



きゃ〜、ヅラが怒ったぁと言いながら銀時と高杉は野原を走り出す。それに続いて桂も走り出す。松陽一行は景色の良い山を登り終わり、今は自由に遊んでいるのだ。




暑い暑い日の事だった…。




第6話




「高杉見っけ!!」

「ちっ、もう見つかったか」

「高杉の匂いは良いからねw」

「…てめぇは犬か」



只今、数人で隠れんぼ中。鬼は銀時だ。
残るは桂だけのようで、銀時と高杉は桂を探しに歩いていた。勿論、高杉は銀時に無理矢理連れていかれている。なんせこの暑い中だ。誰だって木陰で休んでいたい。



「銀時ぃあづい。溶ける。溶けちまう!!!」

「溶けないよ、晋ちゃん。大丈夫だから」

「何で鬼じゃねぇ俺も一緒に探さなきゃいけねぇんだよ」

「まぁまぁ」



嫌だからに決まってんじゃん!!
俺が探してる間、可愛い俺の高杉が誰かに取られるかもしんねぇじゃん!?
そんなの御免だっつーの!!


「銀時の阿呆」

「はいはい、阿呆ですよ」

「天パ、糖尿患者!!!」

「グサッ!!いくら何でも言い過ぎじゃないでしょうか!!?晋助くん!!?」

「良いじゃねぇか。"好き"なのは変わりねぇんだからよ。」

「……まぁな」



「可愛い事言っちゃってぇ」と言う銀時に対して高杉はニコっと笑い「黙れ」と言い銀時を殴った。
「殴る事ないんじゃんか!!」と銀時が言い高杉は「てめぇが悪ぃんだろ!!」と言いながらも二人共手を放さないで一緒に歩く。
喧嘩するほど仲が良い、とはこの事だろうか??そう思うか思わないかは人それぞれだ。




「おぃ、幾ら探しても見つかんねぇじゃねぇか!!」

「おかしいなぁ。回りには木とか岩ぐれぇしかねぇのになぁ」

「誰なんだよ。」

「ヅラなんだけどなぁ…」

「ヅ…じゃ、い……だ!!」

「「……ん?」」



二人は顔を見合わせ、ニッと何か企んでいるかのような笑みを向けた。
二人は息を深く吸い大声で吐き出した。




「「真っ黒黒ヅラ出ておいで〜出ないと髪をぶっち抜くぞ〜♪」」

「ヅラじゃない桂だぁぁぁぁぁぁぁ…あっ」




突然側の木から桂が決まり言葉を言い降りて来た。銀時と高杉は、引っ掛かってやんの、と思いながら笑った。




「ヅラ見っけ!」

「ずるいぞ、銀時!!高杉を仲間にするとは!」

「てめぇこそ、木に登りやがって!!広い範囲の中、暑い中、見つけるこっちの身になりやがれ!!」

「暑いのは貴様だけではないぞ!」

「てめぇは、木陰に居たじゃねぇかぁ!!!
だからヅラっつーあだ名で呼ばれんだよ!!馬鹿ヅラ」

「今すぐあの世に送ってやる」




また始まった…高杉はゲンナリとしその場を立ち去った。途中で高杉は誰かに呼ばれ後ろを振り向くと高杉は最大の笑みをしその人の元へ駆け寄った。




「先生!!どうしたんだ??」

「晋助、見て下さい。綺麗だと思いませんか?」

「うっわぁ…」




そこには、一面に広がる青空…。
雲も余りなくとても綺麗だった。だが…何処か寂しい。



「晋助…」

「……??」

「私は、今日の事は一生忘れません。晋助も楽しかったですか?」

「はい!とても楽しかった」

「そうですか。それは良かったです」




松陽は笑いまた空を見上げた。高杉はその横顔をじっと見る。嬉しそうだけど…空と同じ何処か寂しそうだ。




「先生ってさ…空見るの好きなのか?」

「はい、好きですね。空もこの世界も好きです。晋助は好きですか?」

「当たり前だよ」




ニッと笑うと松陽が頭を撫でた。高杉は嬉しそうに笑う。すると、松陽の向きが空の景色じゃなくはしゃぐ子供達の方へと向いた。




「私は幸せ者ですよ。大好きな子供達に囲まれてるのだから…。」

「先生、また皆で此処に行こうよ」

「…そうですね」

「……。」





暑い暑い日の事…。
初めて見た先生の悲しそうな顔―…。





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