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□第7話
「先生??誰からの手紙?」
「あぁ、晋助。居たのですね。
これは―…お偉い人からの手紙ですよ」
「そっか…」
邪魔になりそうだった為、松陽の部屋から放れた高杉は廊下を歩いていた。
でも…やっぱり気になるのは最近松陽が元気ないところ。高杉は溜め息をつき教室へと入って行ったのだった。
第7話
「は…??何馬鹿な事言ってんだ、ヅラ」
「だから、先生は当分此処には帰ってこないみたいだからそれまで此処を頼むっと言っていたんだ。それと、ヅラじゃない桂だ!!」
「俺、さっきまで先生と話してたんだぞ。まぁ…先生が此処を開けて出るなんて珍しいな」
「まぁな…」
高杉は、少し不安になり空を見上げる。松陽が好きだと言った空を…。
「高杉」と自分を呼ぶ声を聞いて我に返りその方向へと向くと、銀時がいた。
「何不安そうな顔してんだよ。先生なら大丈夫だ、その内帰ってくるさ」
「そうだな…」
そうだ。別に俺達を捨てた訳じゃないんだ。
銀時の言う通りその内帰ってくる。
余り悪い事を考えないでおこう。
「でもよぉ、先生がいないのに何すんだよ?」
「それはだなぁ…」
「……高杉、散歩行こうぜ。自由行動でいいじゃん。明日から考えようぜ」
「そうだな、では俺も散歩に付き合おう」
来んじゃねぇよ、と言う顔つきで銀時は桂を見たが、高杉が、たまには良いじゃねぇか、と言い丸くおさめられた。銀時は、ブツブツ言いながらも高杉に言われた通りにした。
「ほぉ、確かに良い道だな。知らなかった。」
「あ〜あ、高杉と2人だけの秘密だったのに、ヅラが加わってしまった」
「仲間はずれは酷いではないか銀時に高杉」
「「うるせぇよ、ハゲ」」
「ハゲじゃないヅラだ!!…あ」
「「自覚してんじゃねぇかよ!!」」
「違う!!間違っただけだ!!!」
ぎゃあぎゃあ騒いでいる中何か気配を感じたのか高杉は人差し指を口元に当てた。状況が掴めた二人は頷き木々から気配がした方を覗くと人間じゃない奴等を目にした。
「な…何だよ、アレ」
「分かんねぇ…だけど、地球人じゃあねぇな。ヅラもそう思うだろ?」
「あぁ…。だが、先生から前聞いた事がある。多分、あやつ等は…天人だ」
「「アレが……天人」」
銀時達は、「天人」の事は聞いた事はあるが、見た事がなかった。天人…他の星から上陸して来た奴等。侍の国は…もう昔の話。今は、天人のモノ。
「…おい、天人の側に人がいるぞ。」
「本当だ。あいつ等に脅されてんじゃねぇの??」
「多分、そうだろうな」
高杉は、自分達の回りを見回せ、頑丈そうな木の棒を少し放れた場所で見つけた高杉はそれを取り、銀時と桂は高杉が何する気なのか全く掴めず首を傾げた。
「高杉、それなんか持って何する気だ??」
「…はっ。まさか高杉―…?!」
桂が薄々気が付いたらしく高杉を見ると高杉は、良く分かったな、と言う顔つきで笑いその場から飛び出し天人に向かっていった。
銀時は驚き、高杉を呼び止めたが高杉は全く聞く耳持たずそのまま天人の頭目掛けて棒を振り落した。バキッとリアルな音が響いた。
「痛ぇ!!んだこの餓鬼!!」
「おい、あんた大丈夫か??」
「はい!ありがとうございます」
「…子供連れ、だったのか」
親の胸元にはがっしりと抱き締められている小さな子供の姿。その子供は、高杉をじっと見て笑った。高杉も笑い返す。
「子供連れて行け。此所は俺がなんとかする」
「ですがッ……ありがとうございます」
「あーあ、逃げられちまった。ま、餓鬼がいるからいっか」
「おい、この餓鬼俺に殺らせろ。さっきの結構効いたんだよ―……ぐへ!?」
またしてもリアルで鈍い音が響いた。
桂と銀時が木の棒を持って高杉が殴った頭を殴ったからだ。天人は頭を抑えしゃがみ込んだ。
「高杉!!一人で飛び込んで行くなよな!!晋ちゃんに何かあったらじゃ遅いんだよ??」
「全くだ」
「はっ、別に俺一人でも良いんだぜ?」
「黙らっしゃい!」
「ちっ、糞天パ」
「俺達を無視ってんじゃねぇよ」と天人が言い「あ、悪ぃ。影薄いな、あんた」と高杉と銀時は言い立ち向かった。
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