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□第7話
「いでででで!!もう少し優しく手当て出来ねぇのか、ヅラ」
「いつもヅラヅラ言うからその恨みだ!!」
「最悪だ!!だから、いつまでたってもヅラなんだよ!!!」
天人相手に見事勝利した3人。だが、所詮子供。無傷では済んでいない。
その為、桂と高杉は交互に手当てし最後に銀時を今桂が手当てしている途中だ。高杉を庇ったせいで銀時は、腕を斬り付けられた。
「銀時…悪い。俺のせいで」
「いいんだよ。晋ちゃんに何もなくて良かったよww」
「ありがとな」
銀時は、ニカっと笑い「おう!」と言った。高杉も笑い「果物持って来てやるよ」と言い銀時と桂のいる部屋から出て庭へと向かい走って行く。庭には林檎の木があり、真っ赤で美味しそうだ。松陽は果物を育てるのが好きだ。だからいつも果物を差し出してくれる。育てている庭は松陽の部屋から出たらすぐ目の前の庭だ。
「…これぐらいでいいか?……ん??」
庭を通り過ぎようとしたら、松陽の部屋に目が止まった。綺麗な机の上に置かれた一枚の紙…。
先生、片付けるの忘れたまま出掛けたのか?
確か、夕方から風が強くなるってヅラが言ってたなぁ。片付けとくか、引き出しに入れたって先生が帰って来たときに言えば良いよな…。
高杉は、靴を脱ぎ松陽の部屋へ入り紙に手を伸したがビタッと止まった。
紙の上に封筒が置かれていた。宛先当たり前に松陽なのだが…送って来た相手は「幕府」の人。
「ど、どうゆう事…だ??」
『これは―…お偉い人からの手紙ですよ』
「―……ッ!!」
松陽の言葉を思い出し言った意味を理解し、高杉は微かに震えながら幕府からの手紙に手を差し伸べた。
そこには、紙がもったいないと思うぐらいの少ない文章…。
“期限は過ぎた。迎えの者を用意するがくれぐれも、抵抗はしないで欲しい。では、待っている”
な、なんなんだ??この文章は…。
“期限は過ぎた。”って何のだよ。
高杉は、手紙を見ていた松陽の横顔を思い出した。悲しそうに歪んだ顔を。
高杉は、手紙を持ったままその場に立ちすくんでいた。
木にぶら下がっていた林檎が一つ強い風に吹かれ、地面にボトリっと落ち無残に砕け散った…。
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