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□第3話
「………」
「久し振りじゃのー金時ィ。元気にしちょったかえ??」
「いやいや、何しに来たのお前??つか、銀時だからぁ!!」
「アハ、アッハッハッハッハッハ〜」
玄関から聞こえてくる笑い声に、定春とじゃれていた高杉はひょこりと覗き毛玉男を見ていた。桂も一緒にいたので聞こうと思ったら先程、定春に頭を噛まれ気絶していた。神楽は酢昆布を買いに行き、新八は姉の妙に呼び出されいない。再び、覗いてみると毛玉男と目が合い慌てて隠れる高杉であった。
第3話
「こりゃたまげた!高杉じゃー。おまんも元気にしちょったかー?」
「げ、ん…きです」
「相変わらずめんこいのぉ」
「縮…む」
頭をグリグリと撫でる高杉は痛い痛いと言いながら坂本の手をのける。坂本は、再び笑い出し床を見ると桂が倒れており、「おぉ、ヅラじゃあ〜」と言うと「ヅラじゃない桂だ!!」と復活し坂本にアッパーカットを食らわす。だが、やはり最後には笑う馬鹿本…いや坂本であった。
「なんじゃあ??今日はなんか宴とかするかぁ?久し振りに4人揃ったきにぃ♪」
「いやぁ…別にぃ、なぁ…桂くん」
「そうだな…銀時くん」
「それより、高杉。おまん鬼兵隊の―…ふぎゃばっ!!!?」
「なななぁに言ってるのかな、こいつはぁ?なぁ、かかつらくん」
「そそうだな、ぎぎ銀時くん」
"鬼兵隊"と言う語句が出た直後、桂と銀時が坂本にパンチを食らわした。右頬には桂の右ストレートが左頬には銀時の右ストレートがめり込んだ。坂本はバタンと倒れ両頬を撫でていた、真っ赤かに腫れ上がっており「ひゃにすんひゃあー」と二人に言った。訳せば「何すんじゃあー」だ。
「……"鬼兵隊"」
「たた高杉、そんな怖い漢字の"鬼兵隊"じゃなくて"木兵隊"だよ。」
「そうだぞ、高杉。木兵隊と言う物語があってな、木の兵隊さんが悪い者達を倒す話なんだ」
「何言っと「「てめぇは黙ってろ!!」」
二人が坂本の頭を床にブチ当てるとあべし!!と唸り額に瘤を作った。桂に高杉を頼み銀時は坂本の後ろ襟を掴み引きずりながら外へと連れ出して行くのを高杉はじとーっと見ていた。
「ヅラぁ、あいつ誰??俺の知り合いだったのか?」
「そうだ。坂本 辰馬と言う奴だ」
「ふーん。なぁ、ヅラ。あいつが言ってた兵隊の事なんだけど…」
「…な、何だ?(まさか…気付いてしまったのか??!)」
「俺―…、"木"兵隊の本見てみたい」
「……え゙??(まさか、そう来たか。そんな物語…本当はないぞ;;)」
「…記憶喪失じゃと?」
「あぁ…。何も覚えちゃいねぇよ。俺達の事も、鬼兵隊の奴等の事もな。最初なんか自分の名前すら覚えてなかったんだぜ…。」
「そうなんかぁ。そりゃ悪かったのぉ。」
「いや、先に伝えてなかった俺が悪かった」
「じゃが、これからどうするんじゃ?高杉を万事屋から出さない気か?」
「……そこが問題なんだよなぁ」
「「うーむ……」」
その頃、高杉は定春に乗っかり寝転び桂はというとガジガジと定春に噛まれていた。高杉の頭の中では…先程の"木兵隊"可愛らしい木達が剣を持ち悪人がいる城へと向かっていくというモノが流れていた。
「木兵隊かぁ…やっぱり見てみたいなぁ」
「いや…高杉く、ん。俺を助け…ないか?」
「なぁ…ヅラぁ。"木兵隊"の本買って来てく……!?」
『主があの高杉か…。拙者で良かったら共に行くでござる』
『晋助様は、私達鬼兵隊の大事な人っす!!だから、全力で晋助様を守ります』
お前等…誰??顔が見えない。
何で…俺の事知ってんだ…。
『あの高杉』…あのって何??
『守る』…俺をか??
分からない。お前等は―…俺の何??それに…
「…すぎ…高杉??高杉!!」
「ハッ!」
「どうしんだ?いくら呼んでも反応しなかったからビックリしたぞ。」
「いや…何でも、ない」
「…そうか。いだだだ!!高杉!!助けてくれないかぁ」
「定春…ヅラ食ったらお前…禿げるぜ」
「…!?プっ」
「失礼な!!それで吐き出す貴様もおかしいぞ定道くん!それに俺は禿げてなどない!!地毛だっ!」
「定春だ。ヅラ」
呼んでも反応しなかった…か。それにしても、なんだったんだ??急に視界が暗くなったら男の人が出てきて一言言うと場面が変わっり女の人が現れた…。だけど暗闇のせいで顔が見えなかった。誰だったんだ?"きへいたい"って言ってたな。
「ヅラ、"きへいたい"って二つあんのか」
「…!!何を言っとる。木の兵隊さんしかいないぞ」
「そっか。」
「急にどうしたのだ??」
「いや…何でもない」
―…ガラ
「ただいまヨ〜」
神楽が上機嫌で帰って来た。ヅラに頼まれた"んまい棒"を神楽が渡し高杉には頼まれてないが飴をあげた。
「モジャが来てたよ。銀ちゃんと難しい顔して話してた」
「そうか。早く戻ってこれば良いものを…」
「なぁ…ヅラ」
「なんだ??」
「この刀。俺…知ってる。何となくだけど」
高杉が持っていたのは銀時の机の横に立て掛けてあった自分の刀であった。
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