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□最終話
銀時達に背を向けていたガイは銀時達の方に向きを変えた。
「生きていたのか」
「銀さんはあんな攻撃で死にませんからそこんとこ夜露死苦ぅぅ!!!!」
そう言うと銀時、桂、坂本は高杉を助ける為、ガイと高杉を押さえ付けている天人二人を除き残りの天人に向かって攻撃しに走り出した。残りが少なかったせいかあっという間に片付いた。
「後は貴様等3人だけだ」
「分からないな」
「何じゃと?」
ガイは、首を傾げ目の前にいる三人を見た。銀時を見、桂を見て、坂本を見て、そして最後に銀時に視線を戻した。
「俺には分からない。何故そうもしてこいつを助けたがる??こいつは、世界を潰そうとしている奴だぞ?それなら、早めに片付けていた方が良いだろう」
「…んなもん百も承知だ。だけどな、それとこれとは話は別だ。そんな世界を潰そうとする馬鹿な事はな辞めさせれば済む事なんだよ…。」
「……」
「それをてめぇ等は…殺せば良いと思ってそいつを襲い、俺達からそいつを奪おうとした。それが許せねぇんだよ」
「何故だ」
「"仲間"だからだっ!!!俺達四人は誰一人欠けちゃいけねぇんだよ。俺達の絆は誰にも………」
切らさせねぇ。
次の瞬間、両左右に何かが過ぎ通り悲鳴に近い声がした。銀時とガイの話が終わってすぐに坂本は持っていた拳銃で右側にいた天人に向けて撃ち、桂は持っていた刀を左側の天人に向けて投げ付けた。二人の攻撃は見事二体の天人に命中し倒れたのだった。一瞬の出来事で振り返った途端崩れる際に高杉が片足を無理にあげガイの顎を蹴った。そのせいで傷口が開き血がさらに出て来てしまったが、よろけたガイを銀時が斬りつけた。ピクピクと体を痙攣させるガイを見下していたが高杉が蹲っているのに目がつき両手を縛っていた縄を解き急いで万事屋へ連れていったのだった。
「…ふぅ」
焦ったぁ。血の止まる気配が全くなかったから超焦った。まぁ、やっと止まってくれたから一安心だな…。
銀時は、ソファに腰をかけ安堵の溜め息をついた。あれから高杉の手当てをし終え一段落ついたのだった。スーって寝床の襖が開くとそこには万斉、また子そして高杉が立っていた。万斉が高杉の右腕を肩にかけまた子が左腕を肩にかけさせ高杉を支えていた。手当てをした包帯は赤く滲んでいた。
「白夜……いや坂田殿。今回の事は感謝致す」
「ありがとうございましたっす」
「……」
万斉とまた子が礼を言う中高杉は俯いていた。銀時達の方を向こうとしない。高杉を支えながら玄関へと向かって行った。
「……高杉」
「……」
銀時が高杉を呼び、戸惑いながらも素直に顔をあげると、柔らかい感触が唇にし視界が銀時で一杯になった。軽いキスをされたのだった。
「銀…時?」
「おめぇは俺たちの敵だ」
「……っ」
銀時の口からでた言葉に少し顔を歪ませたがすぐさま無表情に戻し口元を軽くつり上げた。
「知ってるさ。万斉、また子行くぞ」
「承知した」
「はいっス」
後ろを振り向き万事屋から出ようとする高杉の後ろ姿を見ていた新八は銀時にこれでいいのかと尋ねようとしたら桂に止められ渋々頷き後ろに一歩下がった。銀時はギュッと手のひらを握り締め口を開いた。
「鬼兵隊の中にいるお前は敵だ。だけど、いつでも来ていいんだぜ?」
ピタリと足が止まり万斉、また子が振り返ったがやはり高杉は振り向こうとせずただ正面をまっすぐ見ていた。
「その時は、鬼兵隊総督でもない…普通の"高杉晋助"として来い。…いつでも受け入れてやるし、来るのを待ってる…。だから、気軽に来いよな……晋助」
「……行くぞ」
ガラリとドアを閉め夜の道を歩いた。記憶を無くした日と同じで満月が出ていた。高杉の頭の中では先程銀時に言われた言葉が何回も流れていた。すると隣にいた万斉とまた子がフッと笑った。
「良い奴等を持っていたのだな…晋助」
「晋助様嬉しそうっス」
俯いていた高杉だったが顔をあげると涼しい風が髪を撫ぜると同時に一筋の涙がツゥっと流れた。
「馬ァ鹿…嬉しそうじゃなくて嬉しいんだよ」
そう言い満月を見て笑った。
あれから数日後の時が経ち、高杉の傷は既に塞がり治っていた。久し振りに外を歩きたくなった高杉は散歩がてらに万事屋前を通り立ち止まった。覗いてみようと思ったがやめ再び歩き出すと後ろから声がした。
「お〜い。そこのお兄さ〜ん」
振り向くと銀髪の男とオレンジ髪の女の子と眼鏡をかけた男の子が立っていた。
「寄って行かないのか〜い??」
そう言うと銀髪の男はフワリと優しい笑みを見せ手のひらを差し出した。
「おいで、晋助」
「…馬鹿が…」
そう言い足をUターンさせ銀時達の方へと足を運ばせたのだった。
*fin*
(おかえり、晋助)
(……ただいま)
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