めだ箱
□loneliness
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真黒さんは有言実行型の人間だ。
めだかちゃんの兄貴なんだから当たり前なのだが、だが、これはちょっと、やり過ぎだと思う。
「離れろ!!」
ドガっ!?
これで何回目なのだろうか、めだかちゃんの乱神モードで壁へと叩きつけられる真黒さん。
「痛いじゃないか。もう少しくらい手加減をしてくれてもいいだろう?」
それでも懲りずに、めだかちゃんに過激なスキンシップという名のセクハラを繰り返す。
「・・はぁ」
なんでここにいるのか、わからなくなってくる。
学校が秘密裏に計画しているフラスコ計画。
異端児との戦いで自分の力の衰えを感じためだかちゃんは、兄、真黒さんに教えを請いに来た。
しかし、ここに来る途中に、十三組の十三人である都城に、デートに誘われてしまった。
相手が指定してきた時間は、明日、午前6時。
それまでに俺たちはレベルアップをしなければならない。
真黒さんは俺たちにあったメニューを出し、それを着々とこなしていく俺たち。ここまではいい。それでも隙あらばめだかちゃんにセクハラを仕掛ける真黒さん。
この時間がなければもっと強くなっているのでは?と思わずにはいられない。
「おや、善吉くん。どうしたんだい、難しい顔をしているよ?」
2人と少し離れたところで休憩を取っていた俺のところに真黒さんが近寄ってきた。
「さすがの君でも地獄の特訓メニューは堪えたかな?」
「カッ!そんなんじゃ、ないっすよ・・」
たしかにメニューはかなりきつい。それでも、ついていけないほどじゃない。
そういうところはさすが、育成のプロといったところだ。バテそうになったら休憩を入れてくれる。
そう、俺が沈んでいるのは別に特訓のせいじゃない。