めだ箱
□囁きはベッドの中で
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バチバチッ・・
火花が散って、とても暑い。
ゴゴゴゴ・・・
けど、背筋を通るのは凍りつくような寒気。
誰か、俺をこの場から助けてくれ!!!
――――――
――――
――
何故こんな状況に陥ったのかというと、それは遡ること数時間前
「なに?お泊まりだと?」
生徒会の仕事を終え、めだかちゃんと一緒に帰っている途中だった。
「ああ、明日は学校が休みだから、遊びに来いって、強制的にな」
恋人である都城からのお誘い。
嬉しくないはずがないが、脅迫紛いに誘ってくる彼の性格はどうにかならないのか、とめだかちゃんに愚痴っていたのだ。
いきなり俺を捕まえて、「今日、泊りに来い」それだけ言ってどこかに消えてしまった彼を思い出し、思わず笑みを浮かべる。
が、それが気に食わなかったのか、めだかちゃんは端正な顔を歪ませた。
「善吉、私はお前のことが心配だぞ」
「え?」
「だって、善吉はこんなにもかわいいんだ!あんな男のところに1人で行くなど、喰われに行くも同じではないか!!」
「なっ!?」
「だいたい、あの男は最初から気に食わなかったのだ。いきなり出てきて私の善吉を掻っ攫って行きおって・・・」
「・・・」
俺はいつあなたのもになったのでしょうか?
なんて疑問は彼女には通用しない。
が、確かに1人で都城の家に泊まりに行くのは確かに勇気がいる。
めだかちゃんの喰われるっていうのはちょっと、いや、ないことを祈っているが、都城は何をしでかすかわからないからな・・・
「よし、私も行こう!!」
「え?」
一瞬、めだかちゃんが何を言ったのかわからなかった。
「え、えぇ!?」
「それなら僕も行こう!」
「!!」
突然割り込んできた第三者の声に肩を撥ね上げ、振り向くと、ここにいるはずのない人がいた。
「ま、真黒さん!?なんでここに」
「細かいことは気にしないの。さ、早く準備して彼の家に行こうじゃないか!」
いや、誰もあなたたちを連れていくなんて言ってないんですが、
なんて言葉は聞いてもらえず、2人に引きずられるように都城の家へと向かうことになった。