過去拍手

□バレンタイン!
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2月14日。今日はどこのだれが作ったか知らないけど、バレンタインデー。

「さぁ、さぁ、ボンゴレカフェの店員が1人1人手作りしたチョコを配ってるぜ!」

「なくなり次第終了の早い者勝ちですー!お目当ての方のチョコは早めにお買い上げください!」

「・・・」

わがボンゴレカフェでもこれにあやかりセールを行っている。

「ってか、なんで手作り!?今日までこれのせいでかなり忙しい日々を・・!」

今日までの忙しさがまぶたの裏によみがえり泣けてきた。

「うるせー。無駄口たたく暇があるなら働きやがれ」

「・・リボーン」

すべての元凶であるオレの師匠、リボーンが接客をしながらいった。

「だいた、リボーンがやろうなんて言わなかったらこんなことには・・」

「これもボンゴレが毎年行っている行事の一つだ」

嘘だ。去年は全員が手作りで、しかも配るなんてことはしなかった。ただ店のメニューにバレンタインセットが増えただけで

「それに、今年は逆チョコっていうのが流行ってるらしいしな」

「それ、理由になってない」

もう聞く気もうせて自分の仕事に戻ろうとすると、売り場のほうから大声が聞こえた。

「誰がてめーのチョコなんて十代目に渡すか!」

「え?」

今のは獄寺くんの声。
急いで声のしたほうへと駆け出した。

「ちょっ、どうしたの?」

「十代目!」

獄寺のほうへ駆け寄ると、見覚えのある頭が見えた。

「おや、綱吉君」

「骸?」

そこにいたのは隣町でカフェを営んでいる六道 骸だった。

「どうした?今日はお前のほうも忙しいんじゃないのか?」

「クフフ、大丈夫ですよ。少し抜けてきただけですから。それより、これを受け取ってください」

「え?」

ずいっと差し出されたのは少し大きめの箱だった。

「これは?」

「チョコですよ」

「は?」

状況をうまく飲み込めないせいで頭にははてなしか浮かばない。

「クフフ、今日はバレンタイン。好きな人にチョコを渡す日ですよ」

「うん」

「だからチョコです」

「うん?」

「ホワイトデーは3倍返しが基本ですからね」

「はい?」

「では、」

言いたいことだけ言って骸はその場から去ってしまった。

「・・・」

「十代目?」

骸が去ってからなにも反応を見せない綱吉に獄寺はどうしたものかと困惑していた。

「・・・まぁ、いっか」

(いいの!?)

その場を見ていた全員は綱吉の一言に突っ込みを入れつつ買い物を再開した。

 
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