頂き物
□プレゼント
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シゲルはモテる。そんなことずっと前から知ってる。
…けどやっぱりこういう行事には慣れない。
バレンタインとか誕生日とか…
その度に俺が嫉妬してるなんてシゲルは知らないんだろうなぁ…
世間がクリスマスでも、普段通り学校はあった。
俺達はいつも通り一緒に登校した。
そして昇降口まできたら自分に下駄箱に向かったんだ。
俺とシゲルの位置は隣。
もちろんおれの下駄箱には自分の上靴しか入っていない。
でもシゲルが下駄箱を開けると…
ドサドサッッ!!
きつきつに入ったプレゼントが雪崩落ちた。
「毎年のことながら、すごいな…」
「…あまり嬉しくないけどね…」
げっそりした感じでシゲルは項垂れる。
シゲルはモテても嬉しくないらしい。
もちろん俺だって嬉しくない。
だって、いつシゲルがとられるか分からないから…
苛々する……
あたりに散らばったプレゼントをかき集めてカバンに突っ込むと、
「さ、教室に行こうか。」
と何事もなかったかのように言った。