頂き物
□だって君が好きだから!
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「善吉、余り無防備だとこの変態に襲われるぞ!」
「いや、それはないだろ。真黒さんはめだかちゃん一筋なんだから。この溢れんばかりのめだかちゃんグッズが目に入らねーのか?」
「甘い、甘すぎるぞ善吉!これを見ろ!」
めだかはアルバムを棚から出し、バッと開いて善吉に見せる。
「は、はぁ?」
「あらら、バレちゃったか」
「ま、真黒さん、これって…」
「ん?見ての通り、善吉君メモリアルだよwwこれは初めて泊まりに来た日ので、こっちは僕に抱き着きながらお昼寝してた時の。あ、これはおねしょして泣いちゃった時のだね」
嬉々としてビッシリ貼られた写真の一枚一枚を説明する真黒に、善吉はスススッと気持ち後退る。
(な、なんで部屋にいる時の写真まであんだよ!?)
もしや部屋にカメラが設置されてるんじゃ……と考えて、余りに恐くなった善吉は首をプルプル横に振る。
「そういえば、最近シてないみたいだね」
「…へ?」
「溜まってない?なんなら僕が「この変態が!善吉に近付く事は許さん!!」っ…!」
ドゴォッ
真黒は吹っ飛んだ。
それはもう綺麗に。
「善吉、家に帰宅したらまず部屋をチェックして隠しカメラを探すのだ。いいな?」
「あ、うん。つーか、真黒さんは大丈夫なのか?」
「あの人の生命力はゴのつく黒い悪魔並だ。あんな程度では死なん」
「酷いなめだかちゃん。あんなのと一緒にするなんて」
呼ばれて飛び出て、とは正にこの事。
ケロッとした様子の真黒に、この人不死身か!?と思ったのは仕方ないだろう。
「それにめだかちゃんにだけは言われたくないなぁ。めだかちゃんだって善吉君のピーな写真とか持ってたじゃないか」
「くっ、何故それを!」
「僕はきみのお兄様だからね。なんだってお見通しなのさ☆」
キッと睨みつけるめだかと、ヘラリと笑っているが目が笑っていない真黒。
二人の間でバチバチと激しい火花が散る中、善吉はそろりそろりと気配を消しながら部屋を退出した。
「まさか真黒さんだけじゃなくてめだかちゃんまで変態だったなんて…」
長年知らなかった幼なじみとその兄(こっちは変態とは知っていた)の新たな一面に、善吉は深く深く溜息を吐いたのだった。
だって君が好きだから!
(誰にも渡さない)(それが例え兄妹でも)