めだ箱

□Corruption
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めだかちゃんと一緒に、真黒さんの特訓を受けにきた俺は、小休憩をもらい、軍艦塔の外へと来ていた。

「つ、疲れた・・」

真黒さんの特訓はかなりきついものだった。
この休憩が終わったらまたあれに戻ることになる。
そう考えると、気持ちがどんどん沈んでいく。
それでも、せっかく鍛えてもらっているのだから頑張りたいという気持ちが勝り、俺は一気に背を伸ばした。

「ん?おまえは・・・」

「?」

後ろから声がしたので振り向いた。
振り向いて損をした。俺は今にも逃げ出したくなったが、それは俺のプライドが許さない。

「なんか用ですか?都城先輩」

どうしてここにいるのか?会うのは明日のはず。といろいろ言いたいことはあったが、つい先ほどのやり取りが頭に浮かぶ。

軍艦塔に来る前に都城にされたこと。
めだかちゃんを守ることができなかった。
もう一人いた行橋に助けられる羽目にもなってしまった。

「特に用があったわけではない。散歩をしている途中に偶然、お前と会っただけだ」

偶然会っただけ、それなら会話をしなければよかった、と今更ながら後悔をした。

「そうですか、散歩の邪魔してすみません。それじゃ、俺はこれで・・」

「待て」

特に言葉の重みを使ったわけではないのだろう。俺も気を抜いていた。そんなことしていい相手ではないはずなのに。
俺は、都城の言葉通り、一瞬だけ、そう一瞬だけ!動きを止めてしまった。

「ッ・・」

真黒さんの特訓を受けてこいつの言葉の重みを攻略しようとしていたのに、あんなほとんど重みもないものにさえ足を止められてしまうとは、情けない。

止まってしまったものはしょうがないので、その場でもう一度反転して都城と向き合った。

「なんですか」

「お前と黒神めだかは一体何なのだ?」


 
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