めだ箱
□囁きはベッドの中で
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そして、冒頭に至るのであった。
「俺はお前たちを呼んだ覚えは一切ないが?」
都城の家についてすぐ、彼とめだかちゃんたちの間に火花が散った。
「私も貴様に呼ばれた覚えはまったくない」
「ではなぜここにいる」
「可愛い善吉が喰われないように見張るためだ!」
そうだそうだとめだかちゃんの影に隠れて小声で言う真黒さん。
あなた、ただ楽しんでるだけでしょ。
「ヒトキチ」
などと考えていると、都城の矛先が俺に向かってきた。
「なぜこいつらを連れてきたのだ」
「あー、成り行き、ですかね?」
「なりゆき、か」
はい、成り行きですね。
まあ、確かにめだかちゃんに今日のことをうっかり話してしまったのは俺ですが、めだかちゃんが来るとは誰も考えないだろう?
「ふん、来てしまったものは仕方がない。今日は泊めてやろう」
「!」
驚いた。これは俺の素直な感想だ。
だって、あの俺様何様王様な都城が、勝手に押しかけてきためだかちゃんたちを泊めると言い出した。
ありえないものをみた。
隣を見ると、真黒さんも同じような顔をして驚いていた。
唯一驚かなかっためだかちゃんは、当たり前だというふうにいつも通りだ。
「客が増えた。客間に案内しろ」
「畏まりました」
近くにいた執事らしき人にそういうと、めだかちゃんたちは彼について行った。
俺も付いていくべきかと思っていたが、都城によって止められた。
「お前の部屋はこっちだ」
「え、ああ」
手を引かれるまま彼についていく。