君はトランキライザー

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「――きみもすぐに戻ってきたんだね◆…ん〜◆熟しかけの果実だ…◆」
「――何を言ってるんですか。熟しかけ…って表現、可笑しいですよ。私はまだ貴方にとっては青リンゴですから。青い果実ですから。」

まさに蛇に睨まれた蛙という表現が適切であろう己の状況を冷静に分析していた私は出るタイミングを間違えた己の行動に唇を噛みしめた。
これじゃ、アンラッキーガールだ。

「――ね、406番さん◆今から、僕と勝負しないかい?」
「――あははは。何を仰ってるんですか。44番さん。そんな恐ろしいことはやめましょう…でおおいッ!いきなり投げないで下さいッ!」

素早いスピードで投げられたトランプを周を纏わせた槍で振り払った私は彼の身体を覆うオーラに顔を顰めた。やっぱり、この人…気持ち悪い。おえ。


「――おや◆きみは、念(それ)をマスターしているみたいだね◆…ますます殺りたくなったよ◆」
「………」

落ち着け、エミ・ソリア。分かっていたじゃないか、この人間の特性を。
―――きっと、彼はあれだ。―――住んでいる次元が違うんだ。きっと。
そんな思考に入っていても、トランプを投げつける彼の攻撃を槍で振り払っていた私は、気がそれていたのか、彼の額にヒットした釣り竿に眼を見開いた。

「―――ゴン……」

深い霧の中、現れたゴンの姿に安堵の息を吐いた私に視線を向けた彼の視界にはヒソカの姿が入っていて。荒い息を繰り返すゴンを見ていた私は額から血を流すヒソカの表情に瞳を見開いた。―――細くなるヒソカの瞳は確かにゴンという対象を興味深そうに捉えていた。















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