全てが優しい世界に満ちて

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―――肌に触れた微量なチャクラの感覚。

車に当麻先生に乗ってもらい、車庫のシャッターを開けた瞬間――視界に入り込んだ二人の良化隊の姿を見つけたと同時に走りこむ。


(―――二人…とッ)


殴りかかる男の攻撃をかわし、地面に手をつけ体を回転させた私の下肢が二人の体を壁に突き飛ばす。
息を吐いた私は、乗り込んだ三人に続いて車に乗り込んだ。


「お前…本当に前世何だったんだ」
「え、何がですか…?」


呆れたように発した堂上教官の言葉に首を傾げる。

「――時にお前が人に見えないんだよ。何だ、あの動き…」
「本当ですね…。笠原さんと同じ年齢に思えませんよ」
(―――はははー…。実際、おばさんですもん。年齢は…)


いや、現代の時間を巻き戻したら大変なのかもしれない。
苦笑を浮かべた己の前に見えたコンテナの存在。ドリフトしながら入り込んだ車の勢いに頭を伏せていた私は、浮遊感に目を丸めた。


(―――大丈夫。きっと…大丈夫だ)

震える当麻先生の背中をさすりながら、瞳を閉じた己の肌に触れた感覚に目を見開く。


静かで穏やかで―――熱い感情を静かに潜めるその感覚に顔を上げた。


(―――この…チャクラ…)


己の肌を刺激する良化隊の傍から発されたそのチャクラに覚えがあった。



「―――し…師匠…」



―――強いチャクラの波動を感じた瞬間。あんなに鳴り響いていた銃声が遠くなったと同時に、そのチャクラが消えた感覚に表情を曇らせた。








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