星屑の欠片

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日本で多い苗字は、佐藤、鈴木、高橋だそうだ。身近な田中さんは意外にも四位の成績である。



ま、こんなこと呟いていても、この世界には何の影響もないのだけども。




―――日比谷エミ、十歳。
前世の意識を持つ己にはこの世界の未来を知るという数奇な運命を背負わされている。


そうとなれば、自分の身は自分で守る他がない。そのような結論に至った私と両親は幼い私の修行を鈴木リンカという医療忍者へと任せた。



アカデミーに通いながら、リンカさんに修行につきあって貰う私の予定と言えば、それはとんでもないスケジュールで。
医療忍術を最近になってマスターした私の姿に母親である雪さんは酷く驚いていたが、嬉しそうに笑って私の子だと抱きしめてくれた。
雪さん、可愛い…かった。


とはいえ、医療忍術は習得するのが難しいと言われるものらしい。


精密なチャクラコントロールが昔より長けてた私の才能と生命力が人一倍強い己の根性が医療忍者への扉を開花させたのだろうか。

それと同時に、修行につきあってくれるリンカさんは私のチャクラ量がかなり多めであるというカミングアウトをぶつけてきた。


―――わお。マジですか?


私の言葉にマジマジと頷いた彼の顔は何故か輝いていたけど。



つくづく思うのだが、リンカさんは教師になった方が良いと思う。










教卓で、教科書を開き文字を書く、先生の話をぼーっと見たまま、小さく息を吐いた私はノートに書き写した自分の文字を見つめた。





そして、もう一つショックなことが一つある。




ゆっくりと視線を上げ、教室を見渡した私の視界に入ったのは、見覚えのある顔とキャラクターの名前。




(―――うずまき、ナルト。うちはサスケ。奈良シカマル、春野サクラ……って)



メインキャラクターと同期じゃねえか。
こんにゃろお。




そう。私は、よりにもよってメインキャラクターと同じ年代らしい。
って、そりゃないでしょ。皆さん。




(―――死にたくないなあ。)




思わず呟いた心の声と共に、先生の終了という掛け声がマッチしたのは奇跡だろうか。
いや、そんなこと関係ねえ。





日比谷エミ、十歳。

人生の岐路に立っております。











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