星屑の欠片

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―――年頃の女の子といえば、忍服にも力をいれていることだと思う。


そんな私の精神年齢と言えば、既におばさんに近いものがあって。
特に考えず、集合の格好さえも前のアカデミーと同じようにしていた己の行動は雪さんにとめられてしまい。



目の前で交互に見せられる忍服に思わず顔が顰めるのを覚えた。



「―――…雪さん…」
「ん〜…やっぱり、このショートパンツのほうがいいかしら?でも、エミちゃんは顔立ちは平凡だから…おしとやかなものでもいいと思うんだけどなあ…」
「―――はあ。もう、こっちでいいよ。」


雪さんの乙女ぶりに小さく息を吐いた私は彼女が買ってきたであろう着物タイプの服を手に取った。


まだ出会ったことがないが、シズネさんという女性の服に似たそれの色は落ち着いた色を備える紫の忍服で。
さすがにパンツは見られていはいけないと、スパッツタイプを身に纏った私は、肩まで伸びる癖毛を一つに結った。



木の葉の額当てを通常の位置に装着した私は、軽く荷物をまとめたまま、振り返る。





「――じゃ、雪さん。行ってきます!」
「行ってらっしゃい。エミ。班分けでは、なるべく仲良くするのよ?」



そう言って、お弁当を手渡す雪さんを見上げた私は小さく頷き、笑みを浮かべた。








――――――――――――





アカデミーに集合といえど、師匠に挨拶するのは私の日課で。
アカデミーの行く途中で電信柱に立つリンカさんの姿を捉えた私は、口を開いた。



「――リンカさん!おはようございます。」
「ああああおうッ!!え、えええっとエミちゃん…じゃないか。」
「――今日こそ、花子さんに声かけれました?」



私の問いに、顔を赤らめたリンカさんの慌てる姿は童顔の男性とはいえど、可愛らしいもので。



上擦りながら、言い訳をする彼を見ていた私は、時間が迫っていることに気付き、慌てて彼を見上げた。


「―――じゃあ、リンカさん。私、そろそろ時間なんで…行きます。」
「あ、そっかあ。エミちゃんも下忍なんだよねえ。――これからも、精一杯教えてあげるね。」




そう言って穏やかに笑うリンカさんの言葉に頷いた私は、ゆっくりと空中に舞い上がった。



















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