星屑の欠片
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「だめ――――!そんなの、ノーサンキューだってばよ!」
バツ印を見せるナルトの声を隣で聞きながら、小さく息を吐いた私は悲鳴を上げるとら猫を横目で見た。
(―――とら猫の任務が終わったってことは…次は波の国かあ…)
これから出会うであろう二人のキャラクターの特徴を思い返しながら、思わず胃が痛くなるのを感じた私は己の思考を無理やり切り替え、彼らの会話を静かに聞く。
――ナルトの我儘振りに呆れる三代目火影とイルカ先生に言い返したナルトの姿に、渋々ながら彼らが言ったのはCランクの任務で。
紹介された依頼人―――タズナさんからバカにされる彼らのやり取りを見ていた私は隣で疲れたように息を吐くカカシ先生を見あげた。
―――うん。先生もお疲れ様。
―――――――――――
よくよく考えれば、この世界に転生しこの里で育ってきた私はこの門から出たことがなくて。
ナルトの喜びを苦笑しながら見つめていた己の耳元に届いたのは、サクラの呆れた声。
「何、はしゃいじゃってんの?――アンタ。」
「―――だってだって〜…俺ってば、一度も里の外に出たことがねえからよ〜」
「――落ち着かんかい。ナルトくん…」
ナルトのはしゃぎように呆れたのは、私たちだけでなく。不安そうにナルトを指さすタズナさんの疑問にフォローに回ったカカシを見上げていた私は、こちらの視線に気づいたのか頭に手を置く彼の動作に思わず口を紡いだ。
―――絶対、こども扱いしているな。コイツ…。
―――――――――――――
「―――ねえ、タズナさん。」
「―――何じゃ。」
「タズナさんの国って波の国でしょ?」
「……それがどうした?」
「―――ねえ、カカシ先生。その国にも忍者っているの?」
サクラの疑問に一瞬の間、沈黙を保っていた彼は声を発する。
「――いや。波の国に忍者はいない。大抵、他の国には文化や風習は違うが、隠れ里は存在し、忍者はいる。」
そこまで声を発したカカシは皆と同じようなスピードで歩みを進めながら、視線を私たちに向ける。
「大陸にあるたくさんの国々にとって、忍びの存在っていうのは国の軍事力に当たる。
つまり、それで隣接する他国との関係を保っている訳。
ま!かといって、里は国の支配下にあるもんじゃなくて、あくまで立場は対等なんだけどな。
波の国のように、他国の干渉を受けにくい小さな島国なんかは忍びの里が必要でない場合もあるしな。
それぞれの忍びの里を持つ国々の中でも、特に火・水・雷・風・土の五カ国は、国土も大きく力も絶大なため、忍び五大国とも呼ばれている。
火の国、木の葉隠れの里。
水の国、霧隠れの里。
雷の国、雲隠れの里。
風の国、砂隠れの里。
土の国、岩隠れの里。
各、隠れ里の長のみが、影の名を語ることを許されている。
―――その火影、水影、雷影、風影、土影のいわゆる五影は全世界何万の忍者に君臨する忍者たちだ。」