星屑の欠片
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「―――よし…と。」
リーの治療を施した私は意識が無い彼の傍を離れることが出来ず。
身体についた傷を治療し終えた私は、小さく息を吐いた。
(―――随分と派手にやってくれたなあ…)
心転身の術で黒髪の音忍に入れ替わっているいのの術の反動なのか。
受けた攻撃をオリジナルを受けたいのから零れた血に眉根が寄る感覚を覚えた。
(―――無事に生き返ったか…)
神経をマヒ状態に近づけていた包帯男の意識は既に覚醒しているようで。
起き上がり、視線を動かしていた彼の眼は己の姿を捉えていて。興味深そうに瞳を細める男を見ていた私は心の中で舌打ちを溢す。
(―――こっち…見るなよ…)
猪鹿蝶トリオの攻撃も無意味なもので。
諦めたシカマルの声とともに、頭上から聞こえた言葉に視線を上げる。
「―――ふんッ…気に入らないなあ。マイナーの音忍風情がこんな格下を苛めて勝利者気どりか?」
「―――ッ何!?」
マフラー男の声と共に皆の視線は一つ上の日向ネジへと向いていて。
丁度真上でテンテンと共に立つ彼の視線はリーの傍に座る己に向いており。
―――二つの鋭い視線に思わず頸を横に振る。
誤解しないように述べておく。
私じゃない!
リーくんをこんなに痛めつけたのは!
「―――そこに倒れているおかっぱくんは俺たちのチームなんだが…
しかとやってくれたな!!!」
(―――おおう。恐ろしや…)
ネジの殺気とともに肌に触れたのは、彼の鋭い殺気を表すチャクラの感覚で。
それよりも、腹の奥に存在する恐怖をつつくチャクラの感覚に目を見開いた。
(―――これは…サスケ…くんの?)
ゆっくりと視線を向けた瞬間、視界に入ったのは具現化されたチャクラを纏うサスケの姿。肌を覆う呪印が赤く光っているのを見た私は言葉を溢したサスケを静かに見つめた。
「―――サクラ。お前をそんなにしたやつは誰だ?」
サスケのチャクラと異なる雰囲気にのまれている下忍達と同じく恐怖を己も確かに覚えていて。慌ただしい動悸を落ち着かせようと静かに息を吐く。
音忍の一人であるマフラー男は可笑しそうな笑みを浮かべ、声を発した。
「―――俺だぜ。」
挑発する男の声と共に、サスケの呪印は広がっていて。
マフラー男が向けた爆風を必死に耐えていて私は、止んだ風と共に音忍を殴り飛ばしていたサスケの攻撃を静かに見ていた私は、思考の中に入る。
(―――呪印…は今の私じゃどうしようもならない。)
封印術も長けていないと駄目だと。
彼の戦いをリーの傍で見ていた私は肩の骨を折る彼の攻撃に目を見開いた
「――――サスケ…ッ」
マジかで見るのは、気分が良いものじゃないけども。
―――憎しみを抱える彼の攻撃を止めたのはサクラの存在。
呪印が引いていくのを視界に捉えた状況で丁寧な対応でサスケ達を見た包帯男が差し出したのは巻物で。
二人の仲間を抱え立ち去る彼を見ていた私は、傍に下りてきた少女に目を見開いた。
「――後は私が見るわ。治療…したみたいだけど…貴方、医療忍者?」
「―――あ、はい。多分」
リーのチームメンバーであるテンテンの視線を受け止め、頷いた私はサクラ達の下に足を向けた。
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