星屑の欠片

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―――木の葉崩しが始まった。
火影様が居る場所で、爆発が鳴り響くのを感じていた己は頭上でクナイをはじき返す音に唇を噛みしめた。
視線を双方に向ける。


(―――怪我人が多い…。)



音忍と戦う忍びを観察していた私は、隠れながらナルト達の姿を眼で追う。
――瞬間、頭上を覆ったのは黒い影で。
その気配に気づき、視線を上げた己の視界に入ったのはクナイを構え、瞳を細める音忍の姿。


「―――みーつけた。」
「―――ッ!」


緊張から冷や汗が流れるのを捉えたと同時に、反射的に頭を抱えた己の頭上で聞こえたのは先ほどクナイを構えていた男の悲鳴で。
ゆっくりと瞼を開けた瞬間、視界に入ったのは医療班という文字を背負い、黒髪を揺らす男の姿。
振り返った彼の顔が優しく綻んだ。


「―――やっと見つけたよ。エミちゃん。怪我は大丈夫?」

「―――リンカさん…」


己を鍛えている師の姿に零れたのは安堵の息。彼から手渡された服に思わず目が丸まった。


「―――君は僕の弟子でもあり、立派な医療忍者の一人だ。

治療に当たって貰うからね。」


童顔の彼の顔が笑みを浮かべる様を見ていた私は、二本の日本刀を手にした彼の後ろ姿を見つめた。


「―――僕は、この会場に残ってカカシさんやガイさんのサポートに回る。

君は、西の方に向かってくれ。
味方のサポート、治療に主に当たってくれるかい?」


「―――ッ…はい!」



穏やかで、優しくて、お節介な彼が溢した言葉に込み上げたのは嬉しいと思う己の素直な感情で。
腹を括った私は、
音忍に向かうリンカさんの後ろ姿を見ながら瞬身の印を組んだ。






―――――――――





里の入口である門に向かっていた私は、建物の間、気配を隠した。
手にした刀を握り締め、周りを見渡す。



(―――敵の数は…不明。―――木の葉の忍びはどこにいるだろう…?)



空中へと舞い上がった瞬間、己に向かうのは砂忍から向けられたクナイの数々。
それを跳ね返し、チャクラを感じる方向へと足を向けた私は、倒れる忍びの元へと足を着ける。意識を失うその人を抱え、物陰に隠れた私は胸に手を翳した。
―――出血、骨折、チャクラ不足。様々な原因で倒れる忍びの応急処置をすませ、立ち上がった私は屋根の上へと飛び出した。













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