星屑の欠片

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―――朝は来る。


どうあがいても。

私たちの悲しみや怒り、希望を飲み込むかのように、前へ進んでくる。
それは、希望でもあり、悲しみでもあり、始まりの一つでもるから。









――――――――――







――――下忍から中忍の昇格。それは、任務内容の困難だけでなく忙しさも倍になる。それは新米の私も例外ではなく。
病院勤務と任務の激しさに魂を奪われそうになりながらも激しく戦っていた私は、再び巡ってきた朝に目を細めた。



「あー…」



死ぬわ。本当に。



事実14歳になった私の脳内には任務と病院勤務が10割を占めており。
身体を襲う疲労に吐息を零しながら、起き上がった私は背伸びをした。
――――伸び切った声はまるでおっさんのようだったが。




「―――今日は…お昼からだったよなあ…」

長引いた任務が終わったのは昨晩のことで。
それからずっと眠りに落ちていた私はぼんやりとする頭のまま、家のリビングへと足を向けた。ふと、脳裏に蘇るのは第七班の同期の顔。


(―――みんな…元気かなあ…)



―――中忍になってから。それから随分と会っていないが、今のナルトは木の葉の三忍と謳われた自来也という男性と里を出ている頃なのだろうか。今の時間軸から離れている自分の行動に息を落としながら、足を進めていた私は家族と談話しながら食事をする人間の姿に目を丸めた。



肩まで伸び切った茶髪を結い、薄紫色の着物タイプの忍服を身にまとう女性。
振り返った瞬間―――透き通った青の瞳とかち合った。





「―――あ、起きてきた?昨日、大変だったみたいね。

…あ、ごはんあるけど…食べる?」
「………」
「―――おはよう。エミちゃん。今日のごはんは鮭よ。」



――――ちょい、待て。
普通に日比谷家に馴染んでいるこの人は誰なんだ。




「―――…あの、失礼なんですけど…誰ですか?」
「―――ん〜…、ああ、そっか。初めてかな。会うのは。」
「……(だからそういってんじゃん)」




私の呆れた表情にくすりと笑みを浮かべた彼女は瞳を細め、ご飯粒のついた頬を緩めたまま私に目を向けた。





「―――初めまして。日比谷エミちゃん。私は、特別上忍の名無し。

……今日、ここに来たのは貴方のことを鈴木上忍から頼まれたからよ。」
「―――…リンカさんに…?」



ふと、瞼の裏に童顔がコンプレックスと笑う師の笑みが蘇った。











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