星屑の欠片

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―――花の国とは。
最近、国として栄えた場所であり詳細は不明。忍びはいないが、国の土地柄珍しい薬草が取れる。商人が珍しい薬草を取り扱うことが有名。――位置としては川の国の隣にそびえ立つ。



「―――珍しい…薬草ね…」
「…おいおい。日比谷よ。今回の任務はそっちじゃねーだろ。」



隣で歩くキバの発言に重なるように、赤丸の鳴き声が道に響き渡る。
視線を見渡した先には、珍しい武器や薬草を売る商人の姿。
―――花の国に入り、半日が経った今。
現在、私たちはこの国の中で情報収集中だ。



「―――…じゃ、ここからは別行動ってことでいい?」
「―――おう!で、場所はどうする。」
「……えー…どうしようかなあ…。ヒナタはどこがいい?」
「ええ!?…じゃ…じゃあね…」


そういって彼女が指したのは、小さな民宿がある場所で。
その指示に頷いた私は、空中へと舞い上がった。












―――――――――――





―――お嬢ちゃん、良いもの買っていかないか?




そう言ってきたのは、随分と年を重ねた高齢の女性。閉ざされた瞼を見つめながら、布の上に広げる薬草に瞳を細めた。


「―――初めてみる…」
「そりゃ、そうじゃろう。これは国の中でも、立ち入り区域の場所でしか取れない薬草じゃからな。」
「―――へ…、そうなんですか。」



木の葉の里でも取れない希少な薬草を見下ろしながら私は老婆の言葉にはっと我に返った。
―――立ち入り区域の場所。
―――もしかしたら、綱出様が言っていた花は




「―――あの、変なこと聞くかもしれないんですけど…」
「―――あい。何じゃ?」
「―――この国でしか取れない希少な花ってありますか。」



私の言葉に驚いた表情を浮かべた老婆は閉ざされた瞼を見開き、黒の眼を見せた。
その威圧感に思わず動揺を浮かべないように、問う。


「―――私、何か変なことでも…聞きました?。」
「―――ああ、儂にそう尋ねたのは…お前以外に…1人おったわ。

…この国に何のようじゃ。木の葉の忍びよ。」
「……ッ!」



私の額当てを見ながら目を細めた老婆が零したのは私の国の名前。
―――何か知っている。そう気づいた私は小さく頷いた。




「―――分かるなら話がはやい。…貴方に教えてほしいことがあります。」




私の声は強く吹いた風により掻き消された。














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