全てが優しい世界に満ちて

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---生憎の雨空とともに良化隊の人間が溢れ出すように銃撃を始めて、


隠れながら銃を構えた私は、明らかに様子が違う良化隊の姿に唇を噛みしめた。


彼らにとって、この作品は。

己たちのあり方を改めて感じらせたものなのだろうか。


銃撃を避けながら、銃を構えていた私は荒く息を吐きながら零れた悲鳴の傍に近寄った。


「―――しっかりしなさい!」


殺傷能力がある武器に悲鳴と苦痛を上げる仲間の体を冷静を分析しながら私は、今の状況に震えるであろう己の弱さが顔を出さない感覚に驚きを覚えていた。



何故なのだろうか―――。
そう考えた私の脳裏に浮かんだ顔に溢れ出した感情は答えを出していた。



(―――ああ、私。あいつの所に帰りたいって思ってるんだ)


もう、関わらないで。
随分と冷たく言い放った癖に、いつも守ってくれたかれの優しさを踏みにじった癖に。
それでも―――己の感情は嘘をつくことはなかった。



私がこの世界にいれるのは―――残り少ない。
それでも、―――迷い込んだ己を助けてくれた彼の傍にいたいのだと、


答えを出した私は、仲間の応急処置をしながら、物陰に匿った。



「――――吉井!早く戻れ!」
「はい!」


堂上教官の言葉に、返事を返した私は頬を流れる滴を感じながら―――銃を構えた。




――――――――――



相手を踏み潰しても、前へと押し込む良化隊の体当たりの攻撃に銃撃を避けながら私は銃を構えた。撃つたびに感じる振動を覚えながら、声を張り上げる。


「―――皆、抑え込んで!」


視線を向けたその景色は肉を踏み潰して己たちに手を伸ばす良化隊の姿があって。
その光景に唇を噛みしめた私は背後から聞こえた銃撃に目を丸めた。



「――――ああああああッ!」


笠原の動揺した表情と向けられた銃撃に良化隊が撤収する姿が入って。
震える彼女の傍に慌てて駆け寄る前に、震える体を抱きしめる人物に唇を緩めた。



(――――後は堂上教官に任せよう…)


そう考えた私が銃撃を始めて数十分後。
―――戦闘を終わらせる音が鳴り響いた。












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