君はトランキライザー

□04
1ページ/3ページ










―――拝啓。アキナ師範様へ。
お元気にしていられますか?
私と一緒に暮らしていた生活を送ってなかったら不安ですが…。ただでさえ、あなたはへたれ鬼………不器用な人なのですから、無理だけはなさらないで下さいね。
へ?私の状況を言って欲しいのですか…?
んふふふ…ッ。可笑しい質問をしますね。アキナさん。


答えは一つだ。 現在進行形で生きるために、必死です。   


現在の状況を説明すると以下のようになる。

―――三角関係に陥る修羅場とは違う、ユーモア溢れる殺人を行う服のセンスが可笑しい恰好をした、殺しを楽しんでいる変態男、通称、奇術師のヒソカさんは向かってきた敵(彼で言う雑魚)を一網打尽で殺しました。きっと、この世界の誰もが拍手をしそうな攻撃技を見せた彼の光景にクラピカとレオリオさんは動揺を表情に浮かべており、隣でそれを見ていた私の表情に変化は見られないかと思うが、それは勘違いだ。チキンハートが暴れまくっている。
その反面、彼の殺気に苛立ちを覚えてしまうのは致し方ないが。
だって、知ってます?あの人の念。ねっちょり、してるんですよ。ねっちょり。
――お前はアメーバ―か、って叫びそうになる気持ち悪いオーラを浴びせるから、堪らないものだ。―――ネチョネチョ…やめてくれい。

ヒソカを前にして、ひとまず解散が最適だ、と口を開いた不思議な帽子を被った男の発言と共に散り去った私は、円を張り巡らせたまま、状況を静かに伺った。――ヒソカの傍で投げ飛ばされる人の形をした物体がレオリオだと判断した私は足に凝を集中させ、場所へと駆け出す。――話の流れを思い出す限り、ゴンが駆けつけてくれるはずだ。
そう考えた私の判断が誤っていたのか、霧の中を抜けていた私は倒れたレオリオの傍に立つ人物に思わず足が制止するのを感じた。――こちらを見て一瞬だけ不思議そうな顔をした変態男…ヒソカは眉根を動かし、瞳を細めた。―――酷く可笑しそうに。










.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ