魔界図書館

□トラブル・トラベル
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カラ〜ン! カラ〜ン!
「おめでございます! ○×温泉リゾートホテル ペア宿泊券(2泊)の当選で〜す!」

始まりは2週間前。
ショッピングモールで客寄せのために行われていた季節外れの福引、その特賞をこともあろうに魔人様が引き当てた・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今日は2月11日久しぶりに叶絵とョッピングに来ている。
昨日ネウロにダメ元で「明日は半日でいいから休みをほしい」と言いったら、なぜか1日休みをくれた。
珍しい事もあるもんだと思いながらも、私は久方ぶりの休日を満喫することにした。

バレンタイン直前の休日ということもありお店は混雑していたが、私たちはお目当てのチョコをゲットした(私は自分チョコv)
普段、私と食品売り場に行くのを嫌がる叶絵だが、バレンタインの時は別だ、安くても見栄えもあり美味しいチョコをゲットするために、殆んどのチョコの味を覚えている私を連れて行く。お礼はもちろんチョコだったりする。

例の如く大量の食べ歩きで福引券をゲットした私は福引の会場へと足を運んだ。
入った途端特賞の鐘の音・・・
「残念・・・特賞は出ちゃったんだ・・・」
「ん〜、でもまだ2等の高級ホテル食事券はあるみたい。あんたはそっちの方が嬉しいんじゃないの?」
「まーねー!」

「ありがとうございます。」
えっ、この声はもしかして…
人ごみの向こうに見える金髪と青いスーツ…慌てて会場を出ようとするも、
「ねえ、弥子、あれ助手さんじゃない?」
言うが早いか私の腕を掴み、前に引き摺られてしまった。
「ちょっと叶絵(汗)」


「助手さん!こんにちは。 特賞を当てるなんて凄いですね!!」
「ありがとうございます籠原さん。僕もいまだに信じられないです。先生の為に2等の食事券が当ればと思っていたらまさか特賞が当るとは・・・」
…あんたの事だからどうせ魔力を使ったんでしょうが!!

「助手さんの日頃の行いが良いからですよ。きっとv」
「そうでしょうか・・・?」
「もちろんその旅行は『弥子と一緒に』行くんですよね?」
Σ( ̄□ ̄)! 叶絵、なんてこと言うのよ
「ええ、もちろんそのつもりです。・・・先生が了承してくださればの話ですが・・・」
「やだな助手さん、弥子が断るわけないじゃないですか(笑)」
叶絵、お願いだから余計なこと言わないで・・・

「実はこれ、日にち限定で・・・ 今月末の金曜日から2泊なんですよ・・・」
「日にち限定? ありえない!」
「確か学年末試験中ですよね…」
そうだテスト期間中じゃん。神様ありがとう
「学年末テストの期間中だよ。絶対無理!!」
叶絵は携帯のスケジュールを確認すると、にっこりと笑い
[ああ、大丈夫ですよ。金曜日は最終日で2限目で終了ですからv」
なんですと!!
「本当ですか?」
「ええ、良かったね弥子。助手さんと一緒に旅行行けて。」
「ちょっ、勝手に決めないでよ!!」
「先生、やはり僕では役不足ですか・・・こんなに先生のために尽くしているのに・・・」
ああ、ダメか?の表情だよ・・・でも、流石に旅行は色々とマズイ・・・
「ほら、テストで準備するヒマもないしさ・・・」
ああ、我ながら苦しいいい訳だ・・・
「そんな、先生は身一つで来てくれれば十分です。準備は全て僕がしますからv」
いや、それが一番怖いんですけど・・・

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