□〜トラウマ〜
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「いやぁぁぁ〜〜〜!」
泣き叫ぶ声に3日間徹夜明けで疲労に満ちた身体は慌てて起き上がる。
向かう先は隣りの部屋の寝室。
戦争を終えて町並みは平和に明るい雰囲気を纏える程賑わっていた。
戦場を駆っていた人々は今度は平和の為の復興に活躍していた。
カガリはオーブ代表として、ラクスはプラント代表に就きオーブとの橋渡しを、シンはラクスの下で護衛として働いていた。
そして俺もカガリの護衛として働き、オーブに滞在している。
理由は大切な彼の為に…。
「アスラン!アスラン!」
自分の名前を呼ぶのは幼馴染み兼恋人のキラ。
亜麻色の髪を無造作に揺らし、必死に助けを求めながら縋る手が伸ばされる。
ゆっくり手を取って、身体を起こして背中を擦ってやった。
「キラ、大丈夫だ。大丈夫だから。」
そう言うと、焦点の合わない瞳から無数の泪が落ちていく。
その泪は以前彼が流せなかった泪の反動なのか?
「夢だから、気にしなくていいんだよ。キラ。」
「怖い…よ。アスラン。」
「大丈夫だ。もう終わったんだ。苦しまなくていいんだ。」