□〜LOVE SICK 〜
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側にいれればいいと思ってた。
傷付いても貴方の愛を感じていれば…。
〜LOVE SICK 〜
〜side K〜
ずっと憧れていた人とこうしている事が幸せだった。
貴方にとってはただの遊びでも…。
「もう濡らしてるんだ?見られるだけで感じちゃうの?」
甘いマスクに色っぽい声から発される卑猥な言葉に身体中が熱を帯びるのを感じる。
「君はやらしいねぇ。」
くくっと笑う姿はいつも見ていた彼とは違い、獲物を狩るかのような鋭い視線。
恐怖さえ感じるのにこの状況に悦びを感じてしまう。
「君は君の名前も知らない男に抱かれて感じてるなんて淫乱だね?」
耳元で吐息をかけながら、でも触れてはくれない状態に歯痒さを感じながらも、期待感からか身震いしてしまう。
貴方には思うつぼなのに身体がいうことを訊いてくれない。
「これからどうしようっかねぇ♪」
普段の彼からは考えられない笑顔に心が踊る。
ネクタイを緩める長い指先を見つめていると、それに彼が気付く。
「あぁ…この指を君の中に入れて掻き混ぜて欲しいの?」
不敵な笑みに色気さえも感じる。
胸が先程から大きく波打って、止まらない鼓動。
彼とこんなことになるなんて思ってなかったから…あの偶然に幸せを噛み締めていたんだ。