草創史序説 弐
□第肆拾弐章
1ページ/1ページ
第肆拾弐章
心はすでに 壊れたり
身体はすでに 染まりたり
其方が称えし 此の髪も
彼の者の血で 汚れつる
其方が誉めし 此の口も
彼の者の怨み 吐き続く
叶わぬ夢に 憂いて嘆き
願えぬ恋を 蔑み捨てる
哭く声は今や 風となり
蒼き月夜に 流れゆく
蠢く身体は 水となり
暗き海辺へ 帰りゆく
戻れぬ時間 過ぎ行く季節
幻の夢 現つの虚像
此方が求むる 宝はいずこ
其方が望むる 心はいずこ
全ては我の 心の中に
全ては我の 想いの中に
.
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ