草創史序説 弐
□第肆拾漆章
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第肆拾漆章
天高き地より 私は羽撃く
貴方に会う為 翼を広げる
今は離れた 遠い距離
埋められないと 解る距離
それでも私は出会いを願う
其れが誰かを驚愕させても
其れが誰かを心配させても
振り向かないで私は羽撃く
私を呼ぶ声 背中に積もる
私を掴む お前は誰だ?
私を止める お前は誰だ?
涙を孕むお前の叫びが
怒りを含むお前の嘆きが
私の足に 纏い付く
お願いだから私に行かせて
お願いだから私を離して
涙の泉が 行く手を阻み
悲しみの鎖 絡み合う
私は未だ 籠の中
貴方は未だ 心の中
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