草創史序説 弐

□第参拾弐章
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第参拾弐章

泣いてた我に 口は無し
死した汝に 朽ちは無し

彷徨う光も 小さな翳りも輝く御魂も 永久の闇も

全ては何時か 幻となり
我等の前から 消えるなり

最後の果てには 未来無し
最初の道には 過去は無し

生まれ出でし時 闇は無し
終わり果つる時 光は無し

我等は何も 持たず 生き
我等は何も 持たず 死ぬ

其れは 新しき 世界への
旅立ちの儀になりにけり

其れは 古き 世界からの
惜別の儀になりにけり

全ては何時か 炎となりて
空へと昇る

全ては何時か 風となり
大地に芽吹く

我は憂いを 飲み込んで
汝は悪意を 曝け出し

互いの世界を 歩むなり

新しき世を 創るなり



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