雨のお品書き

□雪の華は美しく…
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 この方をこうして慰めるのは、もう何回目だろうか。


 いつも思い出すのは、この方のお母上。あんな暖かな優しさを伝えられるかわからないけれど、いつもあの腕を思い出す。




「大丈夫ですよ。おねしはお優しいままです。拙者はおぬしが大好きです」





 総て本心から紡がれるけれど、なんだか空言のように聞こえる時があるのは、きっと気のせいじゃないだろう。



 

 それはきっと、求めてはいけない返事というものがないから…。




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