NARUTO連載
□thalidomide 01
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舗装されていない道を自転車で通り、いよいよそれで通れないほどの砂利道になるとわたしは自転車から降りてかばんを持ち、歩きだした。
thalidomide...01
何を頼って歩いているのか解らないまま、何かに導かれるままにわたしは山道を歩いた。
山に入る前は空は夕暮れの綺麗なオレンジだったが、今は木々が邪魔をして辺りは薄暗い。もう少しすると完全な暗やみになるだろう。
けれどもわたしは家に帰る事よりも山道を進む方を選んでいた。
もはや好奇心がわたしの歩く原動力になっていた。
しばらく歩いていると道さえもなくなり、まわりの木がだんだん大きくなっているような気がした。
空気はどんどん濃密に、艶っぽくなっていっているような木々。
そして一層大きくて太い木が目の前に現われたとき、その根元にきらりと光る何かを見つけた。
何だろうと見てみると、それは紐にただ結晶がぶらさがった、ネックレスと言うよりは首飾りと呼ぶほうが相応しいものだった。
辺りはすでに真っ暗だというのにその結晶はちらちらと輝き、周りはほんのりと明るい。手元ぐらいまでならぎりぎり分かるが周りまでは見渡せないので、とりあえずポケットに入れた。
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