拍手ありがとうございました!

以下、スレナル夢です。
なんかもやもやした感じで終わってすいません^^;携帯に眠っていたものを掘り起こしてみました♪←










わたしは目が覚めた。

ぼんやりとした視界の中、フラッシュバックのように思い出したくない記憶が掘り起こされる。

――ぐらりと傾く金髪の彼、足元に広がる朱いそれに彼はべしゃりと倒れる、何も映さない空を見つめる目、まるで人形に戻ってしまったように動かない四肢、笑ってくれない顔――

ぶるり、とわたしは震え、自分で自分の体を抱き締めた。

しばらく気持が静まるのを待ち、わたしは支度をするため立ち上がった。

街の中をただ歩くだけでも彼の目立つ頭を探している自分に、どうしようもなく悲しくなった。

まだ何処かで元気よくいるような気がするのだ。――現実はそんなんじゃ、ないのに。

どれだけ自分に言い聞かせてもどうしようもなかった。

突然、何かに引かれるようにして振り向くと沢山の人々の合間にひょこひょこと金色が見え隠れしていた。

わたしは一瞬動かなかったがそれが消えかけると人がいるのも気にせず走り出した。

「――!」

わたしは叫ぶ。

なんと言っているか解らない。けれどわたしはそれを知ってるし、分かっている。

「――…!」

もう一度大きく叫ぶと彼は立ち止まった。

わたしは彼の前まで走っていく。

彼がゆっくりと振り返る――。

ぱちりと目が覚めた。

視界の中にはぼやけていない見慣れた天井がある。

目が、覚めたのだ。

ベッドの横の窓が開いているらしく、風が吹いてわたしの目元に違和感をもたらした。

「――?」

すっと手をそこへ持っていくと、驚いたことに、濡れていた。

「起きたか」

びくりとわたしが体を震わせて見ると、ナルトがなんとなく悲しそうな顔でそこにいた。

彼は手をわたしの目元まで持ってくると優しく涙を拭き取った。

「大丈夫か?」

わたしはそれには答えずに、ただナルトにおもいっきり抱きついた。

「うわ!?どうしたんだよ…!?」

本当にナルトがここに居るのだと信じられなかったのでわたしはぎゅうと腕に力をこめた。

指に髪を絡ませて、ぎゅっと服を掴んで。顔をすりよせて。

すると突然、夢の中のフラッシュバックのようにあの光景が思い出されて、目が熱くなり、わたしはさらに混乱した。

「あのさ…俺、任務あんだけど…」

わたしはごめんなさいと思いながらぎゅっと更に抱き締めた。今離れてしまったら自殺してしまいそうだ。

ナルトはわずかに溜め息をついて、影分身に任せるか、と言うとぼんと音が鳴り、ほどなくして玄関から出ていく音がした。

そっと頭に何かが触れて、わたしは暖かい温もりに包まれた。

するとすぐにわたしからあの光景が消え去り、わたしはすっかり安心した。しかし恐怖はまだ染み付いている。

わたしはしばらくナルトにしがみついて涙を流した。



ぐりゅる、と音が鳴ったとき、わたしはすっかり泣きやんで半分夢見心地だったが、すぐに目が覚めた。

「お腹空いた…?」

音の原因の彼は苦笑気味に、腹減った、と言った。

「ごめんね、ぐずぐず泣いて…」

ナルトはぽんぽんとわたしの頭を撫でた。

「飯の用意をしよう」

そう言うとナルトはわたしを抱き上げて立たせてくれた。

「顔洗ってくる」

わたしは洗面所に向かった。

「目、真っ赤…」

わたしは顔を洗い、医療忍術で目を治した。

リビングに行くとナルトは服を着替えていた。わたしがさんざん涙で濡らしてしまったから当然だ。

「昨日の残りもんでなんか作るか」

ナルトは料理の準備をし、わたしはその隣に立つ。

あまりにも慣れてしまったその動作の、失った時の事を思ってわたしはまた泣きそうになった。

いただきます、と言ってほかほかのご飯を口に運ぶ。今日も変わらず彼の手料理はおいしい。

ふふ、と笑ってしまいそうになるのをこらえながら食べているとすぐに、ごちそうさま、と言う声が聞こえた。

「相変わらず早いねー」

「お前が食べるの遅いだけだ」

それでも早い事を主張すると、これでも遅い方だ、と言われた。

「任務ほったらかして、仲良く飯食ってたのか…」

突然聞こえた声に驚いて振り返ると、窓からこちらを覗いているシカマルが見えた。

「え、何、何!?」

「今日の任務…オレとナルトたちと合同任務だったんだけどよ」

ナルトはまだ下忍だったからな、そう言いながらシカマルは窓から入る。影分身が消えたんだよ。で、ナルト探しに来たわけ。

「じゃあまだ任務終ってないの」

わたしは少しびっくりしながら言うとシカマルは溜め息混じりに言う。

「任務っつーのが大名の護衛で、夕方までかかんだよ。で…ナルトの影分身が消えて大名がカンカンだ」

「わりぃな、シカマル」

「ああ。適当に理由繕っといたから大丈夫だ」

わたしはナルトの横で話を聞いていたが、服を掴んでいた手をそっと放し、ナルトから少し離れた。

「いってらっしゃい、ナルト」

何か戸惑うようにナルトはこっちを見たが、わたしの頭に手をぽんと置いて、行ってくる、と行ってしまった。


コメント、キリバンがあれば…



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