Lizzie Borden

□Look only at me
1ページ/1ページ


苦しんでた。
苦しんでた苦しんでた苦しんでた。あいつが。あのあいつが。

泣きながら誰にも言うなって、言った。



「何があったの?」
「………。」
「黙ってちゃわからないよ。」
「………。」
「ねえ何か言って。」
「………。」
「スネイプ…。」


本当は理由なんてわかっていた。
こんなにも彼が苦しんで泣いている理由。
今日は特別な日だって事も知っている。

だけど意地悪なあたしはスネイプの口からその理由が聞きたかった。

ねえ、ちゃんと教えて。
どうして泣いてるの?


「僕、は…。」
「なに?」
「………。」


掠れるような声でスネイプは言った。

そう。今日は2人の命日。

あなたの愛していた人も私の友人も死んでしまった日。

「泣かないでスネイプ。」

あなたが悪いのは誰だってわかってるから。そんなに自分を責めないで。
守れなかったって。責めないで。

「僕は、何も出来なかったんだ。」

そうね。そうよ。あの頃のあなたはまだ未熟で愛するものも守れなかったの。すべてあなたのせいよ。

だけどあたしはあなたが自分自身を恨む事を許さない。

「頼むから、」

あなたはエゴイストなのね。
すごく綺麗。

「頼むからほっておいてくれ。」

あの人を思って涙を流すスネイプ。
お願いだから
死んだ人間よりあたしを見てよ。







彼女を、していたんだあたしを愛して。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ